サウスパーク 無修正映画版
『サウスパーク』の映画版、ジャンルはコメディ&ミュージカル。
このひと言で紹介を終わらせたいけど、はい、そうはいかんざきですね。
『サウスパーク』はアメリカ生まれアメリカ育ち、
頭悪そうなやつらはだいたい友達なアニメ。
コメディ専門のケーブルテレビチャンネルで放映されている人気番組です。
内容は1話完結型の社会風刺&ブラックジョーク。
主人公である4人の少年、スタン、カイル、ケニー、カートマンらを中心に、
社会の“良識派”がソットーしそうなドタバタ劇を毎回繰り広げるっつー具合。
例えば。
「宗教の垣根を越えたホリデーシーズンの新たな象徴」は
ウンコの妖精(子どもはウンコねたが大好きだから)だった!
とか。
イケテる腕時計をもらうためにアフリカの貧困層へ寄付したのに、
なんかのトラブルで腹ペコなエチオピアの子供が郵送されてきちゃった!
とか。
大好きなペットの飼い犬が実はゲイだったことが発覚!
先生はゲイはいけないことだって言う…。じゃあゲイの人に相談だ!
とかって。こんな話ばっかり。
絵柄はシンプルな切り絵調でかわいいんですが、
内容が内容だから、下ネタも人死にもバンバン描かれます。お下品です。
もちろんセリフではファックもシットもビッチも遠慮なし。
主人公の1人、ケニー君は“お約束”として毎回死ぬか殺されます。
(「あー! ケニーが死んじゃった!」「この人でなし!」)
で、本作はそんな『サウスパーク』の映画版、なんです。(やっとか)
物語はこんな具合。
カナダ人コメディアンの映画をマネしたことでケニーが(開始約10分で)焼死。
主人公らの親たちは、ケニーの事故も子どもらがファックファック言いまくるのも、
すべてカナダのせいだと猛抗議を展開。
同国への戦争を訴え、このコメディアンを戦犯として捕縛する。
主人公らを始めとする子どもグループは、コメディアンを救うべく行動することに。
一方そのころ、地獄では悪魔サタンとそのホモだちのサダム・フセインが(以下略
ちなみにサダム・フセインが生きてるころの作品であり、
当人の顔は実際の写真のコラージュで登場します。
全般的に頭悪いし、酒場でビール10杯飲んで考えついたようなネタばかりですが、
この作品、素晴らしいことを主張してるんだよ。本当に。
細かいストーリーは端折りますが、
「子どもたちは大人が思っている以上に大人であり、
彼らの問題行動を正したいのであれば、映画や漫画やゲームを批判するのではなく、
まず親自身が子どもたちと向き合わなければダメだ」ということを、
風刺とジョークを交えながら、ミュージカル仕立てで伝えてくれているんです。
つってもまあ、あくまでブラックコメディであることに変わりはないです。
最初は堅苦しいことは考えず、頭カラッポにして観るのが一番。
ビールとポテチを抱えて、ソファでゲラゲラ笑いましょう。
あと、劇中の音楽が最高なので(アカデミー歌曲賞にもノミネートされるほど)、
気が付いたら「ブレイム・カナダ!」とか「アンクル・ファッカー」とか
「カイルのババァはスーパー・ビッチ」とか歌うようになるよ。たぶん。
サウスパークの予備知識は、
ケニーが毎回死ぬことだけ覚えていれば、あとはゼロでも無問題。
比較的手に入りやすく、しかもDVDが安いので、同作の入門編としてもおススメ。
下ネタに理解がある人ならまず手にとって損はしないです。5つ星。
こういう作品観ると、アメリカって国はやっぱりすごいなと思うね。
おまけ。実際の劇中歌。これに笑えるなら観ても大丈夫。
「カイルのババァはスーパー・ビッチ」
「アンクルファッカー」
センスありすぎだろ。