コングラッチュ・レイプ

コングラッチュ・レイプ

祭丘ヒデユキ晋遊舎

 

成人向け作品のご紹介なのですが、えー、このブログ、なんとR-18の作品は商品レビューとして検索できないようです。フツーだと、上記画像が商品レビュー用のレイアウトで掲載されるですけど、それが不可。ファック。エロ漫画だけに。

閑話休題。えー、改めまして、祭丘ヒデユキ、『コングラッチュレイプ』。おっと、作品名だけでウィンドウ閉じるのはチト早いです。いわゆるひとつのエロ漫画ですが、そこらにあるようなただのエロ漫画ではありません。バカエロ漫画です。あっ、やっぱりウィンドウ閉じられた。まあいい。

えー、この漫画、個人的にはギャグ漫画(+アルファ)として読みました。作者のライフワークである「レ研」シリーズを含めて全11作品が収録されてますが、うち7作品は何かしらのギャグが搭載されてます。ちんこを寿司ネタにした「男寿司」、「遺跡だ! ミイラだ!! 即レイプ!!!」など、ネット上の珍画像として定番化されているものもあり、実際、お目にかかったことがある人も多いのでは。いや、すくねーか。

「スープにヒ素なんて入れるんじゃなかった!」、「いーじゃん きっともう滅びる運命だったんだよ」などの狂った(ホメ言葉)セリフも多く、オタク(あえてそう言いますが)に媚びた「笑える人だけ笑ってください」漫画よりもよっぽど高水準の笑いを実現しているんじゃないかと。実際、面白すぎてオカズとしての使うのがもったいないくらいです。

ただ、読ませる作品はしっかりと読ませるのが祭丘ヒデユキのすごいところ。11作品中の残り4作品は、しっかりエロく、ギャグに頼らず、構成と演出の妙で読みごたえを提供してくれる。

特に姉妹レズものである「2pieces」が素晴らしい。18歳間近になっても生理のこない姉、そのイラだちと苦悩。そんな姉を追い抜き、初潮を迎えてしまった妹の戸惑いと恋慕。モノローグとキャラの何気ない表情で、セリフ量以上の物語を感じさせてくれます。レズい・暗い・姉妹と、三拍子そろった傑作。本作だけでも作者の非凡な才能がうかがえるというものです。いや、本当に。その他、姉弟ものの「Chips~チップス~」も秀逸。過去と現在、自分たちとカワイソーな姉弟を対比させる構成が上手い。

で、もうイッコ特筆すべき点として、絵が上手い。これはエロ漫画としてヌケる絵柄だとかではなく、純粋に漫画として絵が上手い。トーンに任せっきりにしておらず、描線の描き込み、ベタの密度がしっかりしている。エロ漫画にありがちな「イラストとしては上手い」ということもなく、各コマがちゃんと描き込まれてます。実際、「デジカメ・下着・少女達」では、見るからに面倒くさそうなフリルの下着をゴチャゴチャでごまかさずにきっちりと描いています。偉いっ。

3話だけですが、講談社マガジンZガンダム漫画を連載してたほか、チャンピオンREDで『シャングラッド神紀』を描いたこともあるなど、膨大な一般読者からの視線にも耐えうるだけの画力を持っているのでしょう。アフタヌーン四季賞も獲ってるし。
笑えて、じっくり読めて、絵も上手いという、なんかすごいエロ漫画。だけどもその分、刊行ペースが遅いのがちょっと難点です。たぶんだけど、この祭丘ヒデユキ、すごくマジメ・まともな人なんじゃないかなー。年齢は不詳なんだけども、2012年の夏がコミケ初参加と聞いて、ますますその思いを強くした次第。(買いました)
ライフワーク的な作品「レ研」の最新刊が今年秋に発刊とのことなので、地球が滅亡しないように祈っております。早く読みたいなー。