大神

ハードの存在価値を高めてくれるソフトってのがありますな。

FCならマリオ、SFCならスーマリやマリカー、PSならFF7N64ならスマブラ
サターンならシルバーガン、DCならセプトセカンドなどなど。最後2つに異論はあるまい。

じゃあPS2なら何かというと、やっぱこれだね(ロッテのトッポ)『大神』。これです。

えー、説明するのもめんどくせえんですけど、ジャンル的にはアクションアドベンチャー
主人公のアマテラス(わんこ。超かわいい)を操って、
日本昔話風の世界をところ狭しと駆け回り、人々のお悩みを解決したり、
悪い奴らをこらしめたり、小動物に幸せを与えたりする、そんなゲームです。
触った印象としては『ゼルダの伝説 風のタクト』に近い。

特別なシステムとして「筆しらべ」というのがあります。
マウスでお絵描きするように、直線や曲線、丸など特定の模様を描くと、
ゲーム内でさまざまな効果が表れるというもの。
オブジェクトを切断する「一閃」や壊れた道・橋を復活させる「画龍」、
火炎を操る「紅蓮」、昼と夜を入れ替える「月光」など多彩な筆しらべがある。

これらを用いてダンジョン内のしかけを解いたり、イベントを起こしたり、
また戦闘を有利に進めたりできる。
中には複数の筆しらべを駆使する謎ときもあって、頭を使わせてくれます。
ただ、戦闘ではボス戦以外ではなかなか活用できないのがちょっともったいない。
使えば有利なんだろうけど、その前に通常攻撃でバシバシやっつけちゃうので。

グラフィック。水墨画のような絵が世界観にマッチしており、非常に素晴らしい。
こういうのを真に“美しい”というゲームグラフィックというんだ。
特に、フィールド上のケガレを払った際の演出「大神降ろし」は、なんというか晴々しい。

日本の神話や昔話をモチーフにしたストーリーが多数あり、
登場キャラクターも神話・昔話をもとにしたものばかり。
スサノオクシナダヒメがいるかと思えば、牛若丸や南総里見八犬伝
因幡の白ウサギ、かぐや姫も登場するなど、さながら日本伝記オールスター状態。

最後は世界を覆う巨悪と戦うことになるんですけど、
そのラスボス戦の盛り上げ方が、泣けることなけること。涙で前が見えねえ。
実際にプレイして体験してほしいので詳しくは語りませんが、
「ああ、私たちの旅は、無駄ではなかった…」と心から思わせてくれる。

プレイ中、うるっときたゲームは数あれど、
誰が見てもわかるくらいに泣いたゲームは今のところ本作だけ。
漫画でいえば『うしおととら』レベルといえば、わかる人にはわかるかしら。

無理やりマイナス点を挙げるとするなら、戦闘がやや単調になりがちなところ。
アクションゲームが苦手な人ならともかく、
ある程度のゲーマーの腕だと、たまーに中だるみします。
ただ、目につくマイナス点がこれだけというのだから、
本作は間違いなく神ゲー。いや、大神ゲー。(これが言いたかった)

ここでみんなが引くほど語っても、その面白さの3分の1も伝わらないのが悔しい。
とにかくPS2持ってて未プレイの人は、死ぬまでに必ずやっておくことをおススメする。
今ならPS3にてHD化した『~絶景版』も発売しているので、そっちもアリです。5つ星。