読めよぉー。(´;ω;`)

あとプレイしたり、観たりしろよ。アメコミ翻訳はじめました。

ドラゴンズドグマ

グッドな作品ばかりチョイスしてると、
まるで「何食っても美味いみたい味オンチ」みたいなことになるので(俺のことです)、
たまには趣向を変えて、イマイチ楽しめなかった作品も取り上げてみたいと思います。
「残念で賞(ゲーム)」、「残念で賞(漫画)」みたいな感じで。
今どきこのネーミングセンスはどうだろう。

※以下はイチ個人の感想としてお読みください。なお、2周目到達までクリア済みです。

というわけで、残念で賞(ゲーム)として取り上げる1本目の作品は、
カプコンの『ドラゴンズドグマ』です。2012年の期待作として、5月に発売されました。

ジャンルとしては、オープンワールドアクションRPG
公式での記載は「オープンワールドアクション」となってますが、
まあ実際のところはアクションRPGとみて間違いないです。

広大なフィールド、壮大なメインストーリーと多彩にして多数のサブクエスト、
自由度が高くマルチに展開するストーリーライン、思い通りのキャラクターメイキングなど、
洋ゲーである「スカイリム」や「オブリビオン」といった『The Elder Scrolls』シリーズを
強く意識した(少なくとも意識せざるを得ない)要素を引っ提げて登場しました。

とはいっても、キャラクターデザインは日本人的で美男・美女も多いし、
アクション部分の動きももキビキビとして爽快感重視。

さらに、独自の要素として、主人公に仲間としてつき従う兵士「ポーン」を導入。
シングルプレイでもオンラインCOOPのような共闘感を演出しているという触れ込み。

「スカイリムやオブリビオンには興味があるけど、洋ゲーに不安がある」
「和ゲーでオープンワールドRPGをやってみたい」
……と、そういうプレイヤーに大きく期待されたのは言うまでもないです。

で、実際のところどうだったのか。
ひと言でいうとガッカリゲー。要所要所で肩すかしを食らうゲームでした。

まず一番の問題点。本作を“オープンワールド”というのは無理がある。

確かにフィールドは広いけど、
それに対してロケーション(街や城、ダンジョン)の数が少なすぎる。

よく比較される「スカイリム」の場合、主要な街が9つあり、
洞窟や城塞、遺跡といったダンジョンはざっと200~300はある。
一方、『ドラゴンズドグマ』は村・街が3つ、ダンジョンは多く見積もっても100程度。

もちろん、ダンジョンごとの大きさもあるから、数字で単純比較はできないけど、
オープンワールドRPGの魅力の1つは、
「簡単には探検しつくせないボリュームと、その探検のバリエーション」でしょ。
それを担保してくれる要素、つまりロケーションの豊富さがない。
また、ファストトラベル(踏破したロケーション間のオート移動)もできないので、
スカスカした道のりを無駄に歩き回ることになる。

あと、フィールドマップのデザインがおかしい。下記のマップを見てください。


薄いクリーム色の部分が実際に踏破できるフィールド部分で、
細かい記号は、街や村、各種のダンジョンです。
灰色の部分が山岳、水色の部分が海となっていて、侵入は不可となってます。

このクリーム色部分の形状が、
オープンワールド系のゲームとしてはありえないくらい“細い”。

細いということはどういうことかというと、キャラクターのルートを制限されるんです。

極端な例をあげてみる。
上記マップにおける左下のダンジョンから、右上の丸くなってるところまで、
山岳・海も超えながら、自由にルートを開拓できるのが、オープンワールドのゲーム。
もちろん、実際のゲームではそれなりの限度はあるけれども、
「拠点Aから拠点Bまでの道筋が面的に広がっている」ことを感じさせる、
そういうフィールド設計になっているべき。オープンワールドを名乗るのならば。

だけども本作ではそうした広がりがない。
もちろん、ときには街道を外れて平野部を駆け回ることもできるけど、
要所要所に関所があったり、崖や峡谷、山岳があったりして、
マップ全体をまんべんなく・面的に走り回ることができない。
誤解を恐れず言えば、『ゼルダの伝説』や『聖剣伝説II』と本質的に変わらない。

もっとわかりやすく、現実世界に置き換えるのなら、
「国道と県道しか走っていない地図」といってもいいです。
本当なら、新宿から品川までのルートは無数にあるし、
やろうと思えば民家や私有地も突っ切って移動することだってできる。
だけど、本作のフィールド設計においては、それが制限されているわけです。

オープンワールドのゲームは、ただゲーム内フィールドがでかいというだけでなく、
プレイヤーの行動が「直線的」から「面的」になっていないと意味がないのに、
本作ではそれができていない。これが一番大きなマイナスポイント。

続いてメインストーリー。薄い。実家で飲むカルピスと同じくらい薄い。

これは多くの人が言ってるんですが、
「最初の村からお城に到着するまでは面白いのに、そこから後が微妙」ということ。
いきなりお城で英雄に祭り上げられるのはいいんだけど、勝手に話が進んで行って、
気が付いたら中盤・・・というか終盤だった、みたいな。盛り上がりに欠けるのです。

あと、いまいち存在意義がわからなかったキャラも多い。
カルト教団の「救済」って登場する必要あるか? 王様はなんでおかしくなったの?
メルセデスの見せ場のなさはなんなの? ジュリアンは何がしたかったの?

公式サイトのキャラクター紹介のコーナーには16名のNPCが掲載されてますが、
ホントにこれが全部といっていいです。(しかも大して重要じゃないキャラも紹介されてる)
近年のRPGにしては肩すかし感が大きすぎる。
よくわからないストーリーにキャラクター、これでは物語にならんでしょ。

では、サブクエストで「冒険してる感」を解消できているのかというと、
これも首をひねらざるを得ない。

「モンスターの○○を10匹倒してこい」とか、「アイテム××を20個集めろ」とかばかりで、
それは他のゲームだったらクエストじゃなくてチャレンジだろっていうレベル。
あとはキャラの護衛クエストもあるけど、
これも上記のとおり、ルートを制限されるので、すぐに作業化してしまう。

クエストと無関係でもいいから、攻略しがいのあるダンジョンが豊富にあれば、
脳内設定で冒険物語を展開できるのに、それもないというのが痛い。

この他にも……
・仲間であるポーンのAIがちょっとアホ
・ザコモンスターの使い回しが多い
・素材系アイテムが無駄に多くて、プレイのテンポを悪くしている
・セリフ音声が英語オンリーで字幕を読むヒマがない
・ゲーム内の重厚な雰囲気に対して、セリフがいささか陳腐
・カメラワークが練り込み不足
……などが目につきましたが、特に目立ってマイナスだと感じたのは上記の2点です。

よかったポイント。
ボス戦闘に関しては、前評判通り、「手に汗握る」ようなアクションが展開されます。
ワンダと巨像』みたいな、しがみつきアクションを重視し過ぎかなとは思うけど、
それでも巨大なサイクロプスやキメラ、ヒュドラとの戦いなどは確かに面白かった。

ポーンシステムに関しても、AIがアホの子ということを除けば、
ちゃんと「一緒に戦っている」といる実感があると思います。
特にボス戦では顕著。弱点を狙ったり、「今だ!」みたいな掛け声をかけてくれたり、
たまーにしっかり連携してボスを撃破できるとうれしい。

ネットワークを通じて、他のプレイヤーと自分のポーンを貸し借りするというアイデアも、
個人的にはユニークで面白いと思った。
なんだかんだで、自分のポーンが評価されたら嬉しかったし。

その他、キャラメイクを評価する声もありますが、
これは別に「日本人好みのフェイスパーツが揃っている」というだけであって、
システム的に目新しいものではなかったと思います。

とまあ、こうした理由から、本作『ドラゴンズドグマ』は、
「戦闘だけは面白い、壮大なガッカリゲー」という評価です、個人的には。

さて、以上が感想です。
ここからは、『ドラゴンズドグマ』が面白くなりうる可能性を考えます。

もちろん、オープンワールドっぽさをきちんとゲームとして落とし込むことも
メインストーリーとサブクエストの充実も必要ですが、
あえて“この2つから同時に手を離す”(byミギー)というのもありじゃないかと思う。

例えば、戦闘に特化したハック&スラッシュRPGだったらよかったんじゃないか?

本編の終盤に、エバーフォールという大きなダンジョンが出てくるんだけど、
ここを攻略しているときが一番無心になってプレイできた。(完全制覇は挫折したけど)

つまり、ストーリーは『ウィザードリィ』なみに最小限にとどめた上で、
ポーンとチームを組み、装備を整え、自動生成されるランダムダンジョンに潜って、
ひたすら巨大なモンスターと戦って、強力な武器・アイテムをゲットする……。

オープンワールドを謳っておいてオープンワールドが作れないのなら、
そういうプリミティブな方向に作り込んでいくのもアリだったと思う。
ま、俺が言ったところで詮無いことですが。

なお、2013年には『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』が発売予定。
本編の内容+追加要素(新武器、新ダンジョンなど)を追加したバージョンで、
「待望の全編日本語ボイスを収録!」だそうです(最初からやっとけよ!)。

買うかと聞かれると、うーん、買わない。以上。