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読めよぉー。(´;ω;`)

あとプレイしたり、観たりしろよ。アメコミ翻訳はじめました。

Dishonored

えー、年末だし、今年発売のゲームで面白かったものを取り上げたいと思います。
といっても“ぢっと手を見る”系(=貧乏)なので、自慢できるほどプレイしてないんですが、
それでもこれは買いました。『Dishonored』、でぃすおなーど、と読みます。

以前取り上げた「スカイリム」と同じ会社です。だからこそ予約までして買ったんだけど。

ジャンルは、1人称視点のステルス系アクション。
『Hitman』シリーズや「メタルギア」シリーズ、『アサシン・クリード』シリーズのように、
誰にも見つからずに敵をやっつけたり、破壊工作を行ったりするゲームです。

それを、優れた1人称視点RPGを手がけてきたベセスダがつくるってんだから、
期待するなっていうのが無理ってもんですよ、アナタ。

で、実際のところどうなのさ。いや、これがスゲーよかった。

基本的なゲームの流れは、

▼ミッション内容の提示(暗殺や誘拐、脱出など)
▼ステージにてミッション対象の探索
▼場合によってはサブのミッションも遂行
▼ミッション内容の解決
▼ステージからの離脱
▼拠点に戻り、武器・装備など整える、次ステージへ

……となってます。

主人公・コルヴォには一種の超能力が授けられており、
特定アイテムを集めることで短距離ワープや周囲の時間減速、
生物への憑依、暗視などが可能になります。
こうした能力を駆使して、ステージごとにミッションを完結させていくわけ。

特長的なのは、ミッションの遂行方法が選択肢に富んでいるということです。

例えば、「○○を暗殺せよ!」というミッションなら、実際に殺してもいい。
殺す方法は無数にあって、誰にも気づかれないようにそっと暗殺してもいいし、
真正面から敵の本拠地に乗りこんで、暴れまわってから殺してもいい。
刺殺、銃殺、落下死、爆殺など、殺し方も豊富です。

手を血に染めるのが嫌なら、
サブキャラクターに協力してもらって、社会的に抹殺してもいい。
その場合、サブキャラから相談を持ちかけられることがほとんどで、
特定のアイテムを手に入れてきたり、面倒な手順を踏まないといけないこともある。
ただ、多くの場合は、社会的に抹殺のほうがメリットが高い。

ステージ内の立ち回りも、選択肢に富んでいます。
例えば、「暗殺対象が住む屋敷内へ潜入する」という行動ひとつ取ってみても、

・短距離ワープでアパートの屋根から屋根を移動して潜入
・川にいる魚に憑依して、排水路をさかのぼり、地下水路から潜入
・周辺を警備中の兵隊に憑依して、真正面から潜入
・周辺の敵を片っ端から殺しまくって、攪乱させてから潜入

……など、さまざまな方法で実行可能。
もちろん、こうした選択肢がプレイ中に示されることはないです。
あくまでプレイヤー自身が考えて、自分で選択するのが基本的なプレイスタイル。

「ここを登れば、あそこの門を乗り越えられるんじゃないか」
「兵士は一定ルートで巡回してるから、これこれのタイミングなら突破できるな」
「ネズミに憑依してこのすき間を通り抜ければ近道だな」
「遠くでグレネードを爆発させて兵隊をひきつけ、その間に潜入しよう」

みたいなことを考えながらプレイできるし、しかも多くの場合実現可能。
これが本作のキモであり、一番楽しい部分です。

もちろん、ゲーム的な限界はありますけど、
それでもこれまでに登場したステルス系アクションの中でも群を抜いて、
「プレイヤーに許された行動の幅が広い」ゲームではないかと。

この「プレイ幅の広さ」は開発段階から強く意識されていたそうです。
実際にゲームとして楽しいカタチになっているのを見ると、
当初の企画意図は大成功といっていいのではないかと。

続いてストーリーについて。
女王殺しの汚名を着させられた王室護衛官・コルヴォが、
幼い次期女王・エミリーを守りながら、腐敗した権力を討つというもの。

ありがちと言えばありがちなんですが、
このストーリーを支える世界観がとてもよくできてる。

舞台はダンウォールと呼ばれる架空の街。
イメージとしては19世紀後半~20世紀初頭のロンドンとされていて、
鯨油を燃料にしたスチームパンク的な科学技術が発展しているにもかかわらず、
そこかしこに怪しげな宗教や不気味な言い伝えが残っている。

街全体が疫病に苦しんでおり、
裏道には「ウィーパー」と呼ばれる狂暴化した感染者もうろつくなど、治安が悪い。

にもかかわらず、政府は効果的な手を打たず、
女王の死後は感染拡大防止を名目として極端な隔離政策が実施されてしまっている。
市民は感染の恐怖に耐えながら日々をなんとか生き抜く一方、
権力者たちは堕落したパーティーにふける……という、そんな世界。

ゲームプレイ中のさまざまなシーンで、こうした独特の科学技術や神秘主義
疫病に苦しむ人々の生活、腐敗した官僚・警察などを目にするようになっており、
プレイしながら自然とゲーム内の世界観を感じられるように作られてます。
また、ステージ内のあちこちに書籍やメモが散らばっており、
こうしたテキストからも世界観を詳しくしることもできるのもグッド。

ここまで書いてきましたが、不満がないでもないです。
例えば、ストーリーがちょっと尻切れトンボ。全9ミッションなんですが、
あと2~3ミッションあれば、もっと濃いゲーム体験が楽しめたと、個人的には思う。
もしくは1ステージ内に、より多くのサイドミッションが用意されているとか。

また、敵キャラや暗殺対象を殺害しないことのメリットのほうが大きい気がする。
本作では、敵キャラを殺害しまくっているとゲーム内でのカオス度が上昇し、
「次のステージでの敵キャラが増える」、「ウィーパーが増える」などの変化がある。

逆に、あまり敵キャラを殺さず、また暗殺対象を「社会的に抹殺」するなどしていると、
次のステージは敵キャラが減り攻略がラクになったり、
特別ボーナスをもらえたりする。

もちろん、不殺プレイのほうが高難易度なので、メリットが多いのもわかりますが、
殺しまくりプレイにも何かしらのメリットがあってもよかったのでは。
例えば、「特別なボスキャラが登場する」とか、「特別な超能力が身につけられる」とか、
あるいは「レジスタンス組織からの報酬がもらえる」とか。

せっかくプレイ幅が広いんだから、不殺でも大量殺人でも、
“どちらでも間違いではない”と思わせる構成にしてほしかった、というのは贅沢かしら。

ただ、まあ全体的には間違いなく2012年を代表する傑作ゲームだと思います。
人気シリーズの続編ばかりがもてはやされる中にあって完全に新作であり、
しかもゼロから世界観を構築し、企画通りの楽しみを提供できるってのは、
これはホントに並大抵のことじゃないはず。

早くもDLCが配信され始めてますし、次回作を待望する声も大きいので、
今度はもっとボリューミーな感じでひとつ頼みます、ベセスダさん。5つ星。
なお、Xbox360PS3、PCにて発売されてます。

おまけ。開発者による、実際のプレイ解説動画。コメント非表示推奨。