バットマン:マッドラブ

ブルース・ティム版ハーレイクインのスタチューが発売されるようですな。

欲しいけど高いし、置き場所ないわ。

知ってる人は知ってるかと思いますが、

ハーレイはもともとバットマンのコミックではなく、

ジ・アニメイテッド・シリーズから誕生したキャラクターです。

初出は1992年9月放映のエピソード“Joker's Favor”。

直接の生みの親は上記ブルース・ティム(BT)とポール・ディニ

コンセプトを決めたのは2人ですが、イメージを書き起こしたのはBTだとか。

なので自分としてはBTがホントの意味での生みの親と思ってます。

この『バットマン:マッドラブ』は、そんなハーレイが主役のエピソード。

ライターはBTとポール・ディニ、アーティストはBT。相変わらず絵がカワイイ。

ハーレイがどうやって犯罪者・ジョーカーにホレたのか、

なぜウザがられながらもラブラブ状態でつきまとっているのかを描いた、

いわば“ハーレイ・オリジン”です。

大学時代の様子、心理学者のインターンとしてアーカム精神病院に勤め、

ジョーカーとの出会い&フォーリンラブ(精神的に取り込まれてるんだけど)、

バットマンへの憎しみとハーレイクインとしての目覚め……。

そうした過去を経て、ハーレイは愛する“プリンちゃん”のために

バットマンを罠にはめるんだけども……という作品。

ハーレイとジョーカーって、別に相思相愛でも何でもなくて、

ただハーレイがジョーカーにイカレてるだけなんだよね。

ジョーカーも、もちろんハーレイを憎からず思うこともあるんだけど、

基本的には「ジョーカーは自分以外、誰も愛さない」(byバットマン)。

なので、本作でもジョーカーは彼女に対して厳しいです。

というか、ヘタしたらハーレイ死んじゃうようなことも平気でやる。

でもハーレイはめげない。

常にジョーカーLOVEだし、彼のためなら殺人だって辞さない。

バットマン曰く「ある意味ジョーカーに匹敵する狂気の持ち主」だから。

そんな彼女の狂気の愛=マッド・ラブが、本作は一読してわかります。

ネグリジェ姿で妄想にふけるハーレイがとってもキュートだし、

バットマンを割とマジでピンチに陥れる大胆さと行動力にはビビる。

ただ、前述の通りジョーカーへの愛は基本的に一方通行なので、

報われないといえば報われないんだけど、最後の1コマはちょっといい感じ。

米国では1994年2月に刊行されており、

その完成度の高さから同年のアイズナー賞シングルイシュー部門も受賞。

日本では2000年に小学館から翻訳が出た後、絶版。

その後、2011年に復刊して、また絶版? かな? プレミア付いてる。

自分が持ってるのは2000年版です。

クリスマスのショートエピソード5編を集めたホリデー・スペシャルに加え、

ブルース・ティムバットマン吹き替え声優・玄田哲章

バットマン作画監督を努めたこともある増田敏彦のインタビューも収録。

このBTのインタビューによれば、

ハーレイはもともと1回きりのキャラクターとしてアニメに登場させたが、

キャラが立っていて評判もよかったのでレギュラー化したそうな。

ここらへんはジョーカーの誕生とかぶってて素敵ね。

とまれ、ハーレイ好き、BT好き、

ジョーカーとハーレイのからみにグッと来る人にはオススメの1冊。

あんまり、というかぜんぜん重くないので、サクッと読めます。

ちなみにTAS版でも1999年1月に同名タイトルで放映済み。

細かい部分で違いはありますが、大まかなストーリーは同じです。

Youtubeとか探せばあるかも。気になる人は要チェックやで。