Fables vol.3 "Storybook Love" (翻訳その11)

11回目

※『Fables』は、おとぎ話を題材にしたアメコミです。悪の勢力によって、おとぎ話の世界“ホームランド”から追放されたさまざまなキャラクターたちが、現実世界で素性を隠しながら生活しています。キャラクターたちは自らをフェイブルズと称しています。

<Storybook Love チャプター4:ロードランナーとコヨーテ・アグリー>

【前回からの続き。ゴルディロックスに襲い掛かったオオカミ形態のビグビー。ゴルディロックスは構えたライフルで彼の頭部を撃った。倒れたビグビーに、さらに2発の銃弾を撃ち込む】

ゴルディロックス「次はあんたよお姫様! 隠れていないで出てきな!」

【倒れたビグビーが喘ぎながら言う】

ビグビー「銀の…弾丸を…使うべき、だったな…」

ゴルディ「何だって? もしもし?」

ビグビー「銀の弾丸だ。鋼鉄の弾では、俺を痛めつけることはできても、死なせておくことはできん」

ゴルディ「心配いらないわ。最高級のウェザーバイ社製30-378ハンティング弾を使ったんだから。突進してくる象だって一撃で止められるシロモノよ。あなたの脳みそもプリンみたいになってるでしょ」

※ウェザーバイ社は実在する銃メーカー。

ビグビー「俺の骨も血管も内臓も、すでに修復しつつある。すぐにお前を噛み砕いてやるさ」

ゴルディ「あらそう。なら前菜をどうぞ」

【ゴルディ、ビグビーの口に向かってさらに1発撃つ】

ゴルディ「私だってバカじゃないのよ。オオカミ男伝説に関する私の記憶が確かなら、あなたを殺せるのは銀の弾丸だけじゃないはず。炎でも殺せるんでしょ?」

【ゴルディ、木の枝をビグビーの周りに置く】

ゴルディ「というわけで、あなたの周りでたき火をたくことにするわ。私が仕事を片付ける間、あなたにはそのままでいてもらうし、助けが来ないようにしなきゃいけないわね。そういうことでどうかしら?」

【その時、岩陰から出てきたスノウが、ゴルディロックスの後頭部に手斧を叩きつける】

スノウ「これでもくらえ!」

【その場に倒れるゴルディ。その拍子にメガネが外れ、地面に落ちる。後頭部に手斧を食いこませたまま、フラフラと立ち上がるゴルディ】

ゴルディ「何を…気分が悪い。何が…」

スノウ「そんな、嘘でしょ!」

【ゴルディはおぼつかない足取りでゾンビのようにスノウに襲い掛かる】

ゴルディ「メガネがない。なんでこんなに…スノウ! そこにいたのね! なんで髪が濡れてるのよ。あなたがやったの? 何を…しやがった…」

スノウ「倒れなさい! 何で死なないのよ!」

【地面に落ちているライフルに気づいたゴルディ。それをスノウは、ステッキでゴルディを殴りつける】

ゴルディ「ライフルが…撃ち殺してやる…」

スノウ「させないわよ! 倒れろ!」

ゴルディ「そうはいかないわよ。私は、まだ…立てるわ、クソ女」

【立ち上がるゴルディだが、すぐそばは断崖だ。バランスを崩したゴルディは、岩肌に叩きつけられながら転落し、林道に投げ出された。しかしそれでも彼女は死なない】

ゴルディ「見たか、あんたには殺せないのよ」

【とそのとき、材木を積んだ大型トラックが林道の向こうからやってくる。避ける間もなくゴルディは跳ね飛ばされ、河川に転落。トラックはそのまま走り去り、ゴルディの遺体は川下へ流されていった】

【崖の上からその様子を見ていたスノウ。後ろからビグビーが話しかける】

ビグビー「やつは崖から落ちたのか?」

スノウ「ビグビー! 大丈夫なの?」

ビグビー「徐々に回復しつつある。ゴルディロックスはどうだ? 今度こそ彼女は死んだのか?」

スノウ「ええ、完璧にね」

ビグビー「だといいが。彼女はこちら側の人間に人気がある。彼らは、彼女をそう簡単には死なせてくれないかもしれん」

スノウ「で、どうするの?」

ビグビー「半日ほど眠る。それから家に帰ろう」