おすすめ漫画ベスト100作品をランキング形式で紹介する。
今回は、はてな界隈で流行っている(遅い)「おススメ漫画を100作品、ランキング形式で紹介」に便乗してみたいと思います。ルールは以下の通り。既存のものと同じとは限りません。
- 「完結済」、「連載中」の区別はしない。
- 客観的な評価基準があるわけでなく僕の主観でなんとなく順位をつける。
- 過去にこのブログで紹介した作品もバンバン出てきます。
「同じ作家の作品をランキングに入れない」、「漫画の神様的な位置づけの人達はランキングから除外する」というルールを採用することも多いようですが、それをやると頭がフットーするくらい悩み抜いてしまっていつまでたってもランキングが完成しないので、何人かの作家は2作品エントリしてますし、神様の作品もエントリしています。ランキングの高低はあんまり意味なしで、便宜上のものと思ってください。あと画像クリックでAmazon行き。 ともかく、それではスタート。
100位 新・河原崎超一郎 - おおひなたごう
『目玉焼きの黄身、いつつぶす?』のおおひなたごう、彼の少年チャンピオン誌でのデビュー作です。『新~』とは銘打っているけど、何が新しいのかは一切触れられていません。そういう感じの不条理系ギャグ。でもときどきすごく肩すかし食らうくらいベタなネタもあるし、時事ネタや藤子不二雄ネタもあったりする。フライパン先生の登場回とマッチ棒を買いに行く回が好き。欄外のコマかいネタにも注目。
99位 地獄先生ぬ~べ~ - 原作:真倉翔、作画:岡野剛
妖怪と言えばウォッチよりもこっちでしょう。お色気をネタにされることが多いですが、怖いときは本当に怖い。七人ミサキとか。あと妖怪だけじゃなくて都市伝説とかまでカバーしてるのがオカルト好きにはたまらないですね。そこに子供たちへの教訓、社会問題への警鐘なども自然に織り込んできて、しかもほとんどが各話読み切りというから、少年漫画としてのレベル高いです。途中までサラリーマンやりながら連載していたというのが驚愕。
98位 魔人探偵脳噛ネウロ - 松井優征
魔人探偵脳噛ネウロ コミック 全23巻完結セット (ジャンプコミックス)
- 作者: 松井優征
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08/04
- メディア: コミック
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推理ミステリ漫画に見せかけた痛快娯楽作、というが作者の弁らしいです。ネウロの豪快すぎる謎解きが魅力。コマのあちこちに描き込まれた細かいネタを見つける楽しみもある。あとサブキャラがカッコいいですね。お気に入りは笛吹刑事と葛西善二郎。火火火っ。この2人の戦いも好き。『暗殺教室』は未読。
97位 惑星をつぐ者 - 戸田尚伸
少年ジャンプの打ち切り漫画筆頭みたいに言われることもありますが、いや、これSFとして面白いですよ。伝説の武器「自在剣(スパイラルナイフ)」を操る主人公と、過酷な宇宙で生き延びんとする人類の戦いを描く、少年漫画誌では珍しいスペースオペラ。打ち切り作ですが、1巻でしっかり話はまとまってます。グール種族のメロウスが好き。「遅めのランチをとったのさ」。
96位 地獄組の女 - SABE
このブログでも紹介済みですね。エロ&バイオレンスな謎漫画。いや、本当に何マンガと言えばいいかジャンル分けが不能なところあります。しいて言えばアクション漫画。でも成年漫画なんだよね。ともかく、主人公まゆみの堕落っぷりが見事。エロ版レ・ミゼラブルかも(言い過ぎ)。個別記事はこちら。
95位 ガンスミスキャッツ - 園田健一
非軍事オタク・非ガンオタクが銃器関係の知識を手に入れるためのネタ本はいくつかありますが(ガンスリンガーなんとかとか)、30代くらいの漫画好きだったらこの作品じゃないですかね。とはいえ単なるガンオタク向けの漫画に終始しているわけではなく、細かい描写・設定が現実に即していて、アメリカの刑事ドラマやアクションドラマを観ているよう。銃社会や薬物問題、司法取引などがリアルです。
94位 ナニワ金融道 - 青木雄二
ナニワ金融道 文庫 全10巻 完結セット (講談社漫画文庫)
- 作者: 青木雄二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/01
- メディア: 文庫
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『闇金ウシジマくん』もいいけど、こっちもおススメ。金融漫画の金字塔です。さすがに古い描写もありますが、金を借りるとはどういうことか、印鑑や手形の”重さ”など勉強になることだらけ。ただ、細かい金融関係の知識がなくても楽しめるのがすごいところで、人間誰もが持っている欲望・保身などが生々しく描かれてます。登場人物の名前が「肉欲棒太郎」とか「悪徳 栄」とかいうのも直球すぎるくらい直球。
93位 上海丐人族 - 草彅琢仁
しゃんはいかいじんぞく、と読みます。イラストレーターとしても活躍する草彅琢仁の漫画作。未完。獣人や人型兵器が存在する架空の大東亜戦争(っぽい戦争)を舞台に、まぼろしの酒&酵母を巡って行われる冒険活劇。とにかく絵が素晴らしく見事で、砂塵の匂いを嗅ぎとれそうなほど。そしてまたこの人の絵柄は妙なレトロとノスタルジーを感じさせるんだわ。軽妙なセリフもカッコいい。未完なのが惜しまれる。
92位 マコちゃん絵日記 - うさくん
知ってる人は知っている、ロリコン漫画家にして某ズボラ飯の作画家、うさくんの全年齢対象作品。食い意地の張り具合が恐ろしいマコちゃんこと綿貫真琴と、その親友である聖羅と多美ちゃんが繰り広げる日常コメディ。家族や恋愛、友情のことなどでいろいろ初々しい経験を積み重ねていくマコちゃんらが良いですね。お母さんたちも人気です。
91位 ろくでなしBLUES - 森田まさのり
ろくでなしBLUES 全25巻 完結コミックセット(集英社文庫―コミック版)
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/01
- メディア: 文庫
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昔は少年ジャンプにも不良漫画が連載されていたんですよ、タバコも吸う。今じゃ信じられないかもしれないけどさ。喧嘩と友情と恋愛、そして成長(ちゃんと卒業して完結)のバランスが見事で、長期連載されたのもうなずけます。魅力的なキャラが多数登場していて、誰がお気に入りキャラかでその人の趣味が分かる。中盤くらいから、どんどん絵がうまくなっていくのも注目。
90位 不安の種 - 中山昌亮
理不尽かつ得体のしれない恐怖の、まさにその瞬間だけに焦点を当てたGIF動画的な短編恐怖漫画。怖さにある程度慣れてくると、出てくる恐怖なやつらのデザインの秀逸さにも気づけるはず。それにしたって遊ぼうおじさんの怖さは以上。おちょなんさんが出てくるのは『不安の種+』のほうです。個別記事はこちら。
89位 ぱら☆いぞ - 道満晴明
ぱら☆いぞ1 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)
- 作者: 道満晴明
- 出版社/メーカー: ワニマガジン社
- 発売日: 2011/02/01
- メディア: コミック
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道満晴明による下ネタ4コマ集。ギャグのレベルが高い、というわけではないんだけど、なんかクサヤ的な再読性がある。ネタよりもキャラを立たせることで笑いにつないでいます。朧先輩が地味カワイイですね。エロネタではなく下ネタなので、ヌキ目的では買わないように。
88位 五色の舟 - 原作:津原泰水、作画:近藤ようこ
今日買って読んだばっかりなんだけど、完成度が高かったのでランクイン。戦時下の日本を必死に生き抜く見世物小屋一座の優しい人々と、未来を言い当てる怪物「くだん」を巡る幻想譚が、近藤ようこの柔らかな筆致と見事にマッチしています。淡やかで、はかなげな読後感が良い。
87位 江戸むらさき特急 - ほりのぶゆき
唯一無二(たぶん)の時代劇パロディ4コマ。水戸黄門や遠山の金さん、暴れん坊将軍らがこれでもかというくらいネタにされ、さらに時代劇特有のお約束や”あるある”なんかまでが笑いへと転換されています。さすがに時代劇がほとんど見かけなくなった現在では、若い人たちには理解されないかもですが。作者の時代劇への愛を感じる一作。個別記事はこちら。
86位 ピエタ - 榛野なな恵
心に大きな孤独を抱えた2人の少女、その魂の交流を、静かに・あたたかな筆致で描く青春ドラマ。百合だとかレズビアンだとか、そういう言葉の定義合戦が むなしくなるほど、深くつながりあう2つの魂が美しい。ひさしぶりに読んだけど、やっぱりよい漫画です。でも毒親っぽいのも出てくるから要注意。個別記事はコチラ。
85位 BANANA FISH - 吉田秋生
BANANA FISH(1) BANANA FISH (フラワーコミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: Kindle版
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『海街Diary』の吉田秋生の出世作。謎のドラッグ「バナナフィッシュ」を巡って繰り広げられる、ハリウッド顔負けのハードボイルドアクション。そこに2人の少年たちの友情を超えた心の交流を乗せれば、名作にならないはずがない。これが別コミに連載されていたんだから、世の中何が起きるかわからん。性別を問わず楽しめる一級のエンターテインメント。NHKの青洲アドベンチャーで放送されていたラジオドラマも良い出来だった。
84位 惑星のさみだれ - 水上悟志
「10巻以内で完結する名作教えれ」みたいなスレだと必ず出てきますね。全10巻。魔法使いがもたらす世界の滅亡を食い止めるため、特殊能力を持った年齢も性別も立場も異なる「騎士」たちが戦いを繰り広げる、SFファンタジー・バトル漫画。と書くとすごく中二っぽいですが、全然そこに着地しない嫌味のなさが素晴らしい。熱く・泣けて・爽やかな気持ちになれるという快作。
83位 しんきらり - やまだ紫
主婦の眼から見た日常の何気ない気づきや違和感を、短歌か俳句かというくらいのごくわずかな瞬間で切り取って漫画に仕立て上げるという離れ業を平易な表現でさらりとやってのけている名作。漫画に性差はないですが、この人に限っては「女性ならでは」という言葉が似合う、というか、これはたぶん女性にしか描けない。三十路をひかえた女性に読んでほしい。
82位 スプリガン - 原作:たかしげ宙、作画:皆川亮二
超古代文明×オカルト×SFアクションというから楽しくないわけがない。水晶ドクロからヒヒイロカネ、聖杯、パレンケの仮面といったオカルト好きなら一発でピンとくるオーパーツが満載。当然、それを悪用しようとする輩が出てきて、それを阻止するべく特殊スーツをまとった男子高校生の御神苗優が活躍しまくる、というもの。あまり多くない巻数でまとまっているので、集めやすいのもポイント高し。
81 BLAM! - 弐瓶勉
雰囲気カッコいい系ハードSF。弐瓶勉のほぼデビュー作。読者に対する突き放しっぷりがすごくて、「こういうものだ」と割り切って、推測しながら読まないと置いてけぼり食らいます。それがいいとも言える。後半は主人公がぜんぜんしゃべらないというのもビビる。個別記事はこちら。
80位 レコスケくん - 本 秀康
趣味漫画、の中のレコード漫画。これも唯一無二では。ほんわかした絵柄とはウラハラに、レコードコレクターにしか通用しないような細かいネタがこれでもかと盛り込まれています。何かを集めることに熱心になったことがある人なら、なんとなく面白みがわかるはず。ジョージ・ハリスンがらみのネタが情けなくて笑える。個別記事はこちら。
79位 メイプル戦記 - 川原泉
少女漫画界の哲学ねーちゃんこと川原泉の野球漫画。少女漫画雑誌「花とゆめ」に連載されてました。日本初となるオール女性選手のプロ野球チーム(別に女子リーグというわけではない)を舞台に、選手たちのそれぞれの目標&思惑を乗せて、ペナントレースを勝ち上がるべ、というもの。独特の川原節はそのままに、野球ルールが分からない女性読者向けの解説とかあって、なかなか本格的。『甲子園の空に笑え!』のキャラも出ています。
78位 超兄貴 - 田丸浩史
『ラブやん』の田丸さんの出世作。いちおうゲーム『超兄貴』の漫画化ですが、いきなり主人公が別人にバトンタッチされるようなムチャクチャな展開こそがキモ。後半はややグダグダな印象があるけど、前半のわけのわからないテンションの高さは異常。ベンテンがクソまずい料理を作ることを決めた際の、アドン&サムソンの「もぉダメだぁ!」は200回くらい笑った。
77位 今日から俺は!! - 西森博之
今日から俺は!! (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
- 作者: 西森博之
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2000/08
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爽やか友情系ヤンキー漫画。胸熱なストーリーと今読んでも笑えるギャグのレベルの高さ、そして三橋&伊藤の友情が多くの読者を引きつけました。ところどころで本当にグッとくるシーンが多くて、しかもそれがサブキャラのものだったりするのもポイント高い。片桐智司の「男はカッコつけらんなくなったらおしめーだよ」と、最後の相良戦で三橋&伊藤に「ありがとうございます!」と礼をする谷川とかね。
76位 百鬼夜行抄 - 今市子
じんわり怖いジャパニーズホラー。絵柄こそ流麗耽美ですが、日常に潜むポイント・オブ・ノーリターンな恐怖&狂気を描いていて、しかもそれが生きている人間が招いたものだったりして、静かに背筋が凍る。どたん場で種明かしされるようなミステリ仕立ての話も多いので、ホラー&ミステリ好きなら特におススメ。個別記事はこちら。
75位 王様はロバ ~はったり帝国の逆襲~ - なにわ小吉
王様はロバ―はったり帝国の逆襲 (1) (ジャンプ・コミックスデラックス)
- 作者: なにわ小吉
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/12
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ジャンプ黄金期に連載されていたギャグ漫画、にも関わらず、キャラ立ちさせずにシチュエーションの妙だけで笑いを取るという、ある意味ですごく掟破りなギャグ漫画。今読んでも普通に面白いです。作者が勝手に考えた遊び(記憶しりとりとか)のシリーズが好き。個別記事はこちら。
74位 コングラッチュレイプ - 祭丘ヒデユキ
成年漫画です。馬鹿さ具合がいい方向に炸裂しまくったネタ満載で、ネット上でミーム的に話題になった画像とかも本作が出典だったりします。男寿司とか。ただ、それだけじゃなくて普通にエロ漫画としても完成度が高いし、もっと言えば漫画として上手い。新しい単行本も出ていますが、この1冊が一番まとまってます。シャングラッド神紀もおススメ。個別記事はこちら。
73位 ベルセルク - 三浦健太郎
いちいち説明するまでもないですね。絵も演出も、お話自体も好きなんですが、本当に完結するのかが心配。今んところ妖精島に向かうところで俺の中では止まってます。全然関係ないけど、初めて“蝕”のところを読んだのが高校の期末テスト前夜で、暗澹たる気分のままテスト受けて爆死した思い出がある。
72位 ブラックホール - チャールズ・バーンズ
70年代アメリカ・シアトルを舞台にした、若者たちの不気味で不可思議な青春の記録。若者にしかできない奇妙な症状(尻尾が生える、のど元に口のようなものができる、など)をフックにしながら、10代特有の不安と焦り、孤独を描いています。全編に流れる底知れない不気味さと諦観で読後感のダウナーさがスゴイ。
71位 ヒストリー・オブ・バイオレンス - 原作:ジョン・ワグナー、作画:ヴィンス・ロック
- 作者: ジョン・ワグナー,ヴィンス・ロック,石川裕人
- 出版社/メーカー: 小学館プロダクション
- 発売日: 2006/02
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小さな食堂を営む平凡な男。そんな彼に隠された暗い過去が、暴力の嵐のように襲い掛かる。男は平穏を取り戻すことができるのか…。といった内容。ザラっとした独特の絵柄とバイオレンス描写、2時間ドラマのような良質なストーリーでしっかり読ませてくれます。映画化もされてる。個別記事はこちら。
70位 エアマスター - 柴田ヨクサル
女子高生青春アクション漫画から最終的には完全な格闘漫画になってしまった経緯がある、変な作品です。濃いキャラと濃いセリフ、熱い戦いの描写が相まって、『ハチワンダイバー』と同じくよくわからんけど読み進めてしまう魅力がある。崎山香織と屋敷と深道兄が好きだなあ。
69位 キックアス - 原作:マーク・ミラー、作画:ジョン・ロミータJr.
- 作者: マーク・ミラー,ジョン・ロミータJr.,光岡三ツ子
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/11/19
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実写映画化もされた人気アメコミ。物語としては、さえない少年による「覆面ヒーロー始めました」だけど、徹底したバイオレンス&ゴア描写が読者の脳天を直撃します。アメコミ界広しと言えどもキンタマに電流流されて拷問されたのはこの作品だけでは。
68位 おのぼり物語 - カラスヤサトシ
カラスヤサトシ版「まんが道」。作者のしょーもない日常からクスクス笑える失敗談、身につまされる挫折と喪失など、ものすごく等身大かつ普遍的な人生が丹念につづられています。終盤のエピソード、お葬式で出版社からお花が届き、それに対して「私はこの編集者さんを生涯忘れない」と謝意を表すシーンに漫画家と編集者の真摯な関係を見た。
67位 フランケン・ふらん - 木々津克久
フランケン・ふらん コミック 全8巻完結セット (チャンピオンREDコミックス)
- 作者: 木々津克久
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2012/02/29
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“医学”をテーマにしたメディカルホラー。芋虫少女や生首少女、人体改造や不老不死まで、不死身の美少女ドクター「ふらん」にお任せ♪ 医学や生物学に関するトリビア&考察を交えながら、ほんわかエログロなエピソードが満載です。短編なものグッド。個別記事はこちら。
66位 DRAGON QUEST -ダイの大冒険 - 原作:三条陸、作画:稲田浩司
ジャンプ黄金期の作品として忘れちゃいけない一作。ドラクエ漫画でなくても、きっとおそらく名作だったでしょう。魂を鼓舞してくれる熱いセリフとシチュエーションが満載で、「いやーポップが主人公でしょう」みたいな。「先生の5分の1…いや10分の1でいい…! おれに勇気を与えてくださいっ!」で泣かないやつはおるまい。
65位 デビルマン - 永井豪
みんなのアイドル、豪先生の代表作です。「今さらデビルマン~?」みたいに思うけど、1972年にこのストーリー、この設定、この演出を実現できていたと考えると、やっぱりすごい。日本漫画を代表するホラーSFアクション漫画であり、かつまた日本漫画を代表するダークヒーローだと思います。地獄耳。
64位 百物語 - 杉浦日向子
その人生を江戸にささげた杉浦先生が描く短編ホラーです。タイトル通り全100話で、各話はかなり短め。にも関わらず普通にゾッとするくらい怖い話もあって、作者の非凡な才能が分かる。本棚に1冊おいて、時おり読み返したくなります。
63位 究極超人あ~る - ゆうきまさみ
究極超人あ~る (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1991/09
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30代後半から40代前半のオタクにとってのバイブルではないでしょうか。高校のカメラ部(作中では「光画部」)を舞台にした日常ドタバタコメディで、昭和の『げんしけん』といった作風です。登場するキャラが実在人物を元にしたものばかりで、本当に鳥坂先輩みたいな人がいたのかと思うと目まいがする。
62位 グラップラー刃牙 - 板垣恵介
言わずと知れた格闘漫画。最近は格闘ギャグ漫画ですが、なんだかんだ言って普通に読んじゃう。「グニャァ~」とか「~~~~~っっ!」とか「この戦いを目撃していた○○はのちにこう語る」とか、漫画表現の発明だと思います。地下トーナメント、もっかいやらねーかな。
61位 マル被警察24時 - 小田扉
小田扉の比較的初期のころの作品です。連載はマンサンコミック。どこか抜けた・ピリッとしない刑事たちによるギャグ漫画で、作者の持ち味である普通から半歩ズレた笑いを楽しめます。後半は結構シビアで人死にも出る。しかしそれが突飛でもなく、かなり自然と受け入れられるのが作者の非凡さかも。
60位 でろでろ - 押切蓮介
『ハイスコアガール』でヤフートップニュースにもなった押切先生の出世作。現代の「あるある」を妖怪の存在に落とし込んで笑いに仕上げるのは、妖怪ウォッチよりも本作が先です。カントクや須藤みちこなどのサブキャラもいい味出してる。あとこの漫画、つねに犬がかわいそうな目に合うのがウケる。個別記事はこちら。
59位 森のテグー - 施川ユウキ
『がんばれ酢飯疑獄!!』http://itoyasu.jugem.jp/?eid=40 と『サナギさん』と本作、どれを入れようか迷ったんだけどこちらをチョイス。不思議な森に暮らす猫のテグーとその友達が繰り広げるほのぼのシュール系4コマ漫画。ギャグとして笑えるだけじゃなく、最後の別れのくだりがじんわり泣けるというのが選考の理由です。「ちゃんと僕と一緒に泣いてください」は名言。
58 おひっこし - 沙村広明
『無限の住人』の作者が描く大学生活×青春漫画。細かすぎるパロディ、メタなギャグに交えて、若者たちに覚えておいてほしい・わりと結構大事なをサラッとすべり込ませてくるのが秀逸。『はちクロ』とか『げんしけん』に微妙なところで馴染めなかった人の読んでほしいですね。その他の収録作品も笑える。個別記事はこちら。
57位 人造人間の怪 - 呪みちる
近年、特に評価が高まっているホラー漫画家、呪みちるの初期短編集。プレミア価格がついて手に入りにくかった作品がバランスよく収録されています。おススメは表題作『人造人間の怪』のほか『侏儒 -リューゲル-』と『狼よ目覚めよ』。耽美かつ妖麗なビジュアルも魅力的。
56位 銀と金 - 福本伸行
『カイジ』と『アカギ』と『無頼伝 涯』も捨てがたいんですが、あえて本作をチョイス。株の仕手戦から麻雀、絵画の真贋勝負といった知力ゲーム・マネーゲームだけでなく、単純な殺し合いによる命のやり取りまで描いているのが他の福本作品にはないところ。「人殺しの世界は必ず閉じていく」ってのは名言中の名言。
55位 ウォーキング・デッド - ロバート・カークマン
- 作者: ロバート・カークマン,風間賢二
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2011/10/13
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同名ドラマのコミック原作。ドラマ版は未視聴ですが、たぶん、というかきっとコッチのほうがエグいんじゃないか。ゾンビだらけの世界で「(生き延びた)俺たちこそウォーキング・デッドなんだ」と話す主人公が、しかしそれでも必要悪を成すときには罪悪感を覚えねばならないと息子に諭すシーンが好き。
54位 伝染るんです。 - 吉田戦車
作者の代表作。この作品のあとから不条理系ギャグという分類がはっきり明確化されたと言っても過言ではないです。嫉妬や不安、とまどいといった感情さえも笑いにしたのはひとつの発明だと思う。あとやけに記憶に残るんだよね、吉田戦車の4コマは。「トムお前本当に犬かぁ!?」とか「上司、噛まれる!」とか「振動工学の好きな寿司屋」とか。
53位 ガラスの仮面 - 美内すずえ
成り上がり系少女漫画の金字塔。説明不要ですね。物語としては小学生でも理解できるくらいシンプルで、高尚な哲学などなく、しかも“お約束”なシーンだってたくさんあるのに、それでも抜群に面白いってんだから不思議だ。とりあえず作者が亡くなる前に完結してほしい漫画のひとつです。亜弓さんラブ。個別記事はこちら。
52位 失踪日記 - 吾妻ひでお
うつ、アル中、ホームレスをその身で味わった作者自身による体験記。文字に起こすとハード&シビアでしかないのに、漫画で読むとサラッと笑えるんだからスゴイ。まあアル中で幻覚始まったあたりはそれでも読んでて辛いものがありますが。警察に保護されてサインをねだられるエピソードが好き。
51位 銃夢 - 木城ゆきと
ブレードランナーをもっと猥雑にしたようなサイバーパンクが舞台のSFアクション。であると同時に、主人公ガリィによる壮大な自分探しの旅でもある。バイオレンス要素の強い格闘シーンに加えて、怪しげなガジェットと眉唾な科学理論がふんだんに盛り込まれてるのが特徴。ノヴァ博士は漫画史に残るマッド・サイエンティストではないかと。あとトランスアキシャル面切断。
50位 拳闘暗黒伝セスタス - 技来静也
古代ローマの拳闘士たちをテーマにした歴史格闘漫画です。単純な殴り合いが“打たせず打つ”の近代ボクシングに進化していく物語であると同時に、主人公が自由を獲得するまでの成長譚でもある。ローマ帝国の栄枯盛衰と合わせて描かれるので多分に文系向け。師匠のザファル先生がカッコいいですね。個別記事はこちら。 ====
49位 トライガン - 内藤泰弘
見知らぬ惑星を舞台にしたSFウェスタン×アクション。徹底的に不殺にこだわる主人公と、そんな彼に襲い掛かるハードすぎる宿命。どこまでも希望を捨てず“優しく”あろうとする主人公の姿が健気で胸を打つ。といっても全編ハードってわけでもなく、息抜きできるシーンも多め。ウルフウッドの生き様と、ガントレットの常識人っぷりが好き。
48位 のはらのはらの - 雁須磨子
BL、とひと言で片付けるのが惜しいくらいちゃんと恋愛している漫画。恋愛漫画が、たまたま男子高校生同士だった、みたいな感じ。ゆるくてもちゃんとドキドキさせてくれる、独特のカリスマ節は健在。セリフが日常で使われているそのままな感じで、妙な再読性があります。個別記事はこちら。
47位 燃えよペン - 島本和彦
個人的には『アオイホノオ』よりも本作ですね。熱血漫画家の生き様は、突き詰めればギャグになるんだということがこれほどわかる漫画はないでしょう。「今キミの後ろにでた集中線が欲しい!」でクソ笑った。新装版には実写マンガが収録されていないので、こちらの竹書房版のほうがおススメ。
46位 無限の住人 - 沙村広明
不老不死の男と、彼を用心棒に雇った親の仇を追う少女、そして2人を取り巻く様々な人々の群像活劇であり、新世代チャンバラ漫画でもあります。時代のあだ花みたいな変な刃物武器が大量に出てきてワクワクしてしまうのはゲーマーの性でしょうか。初期のころに多用されてた鉛筆の浮世絵みたいな決めゴマは、いつのまにか使われなくなりましたね。
45位 WE3 ウィースリー - 原作:グラント・モリソン、作画:フランク・クワイトリー
- 作者: グラント・モリソン,フランク・クワイトリー,堺三保
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2012/01/31
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軍の改造によって生物兵器と化してしまった犬・猫・ウサギの三匹。帰る場所を求めて戦い・傷つき・逃げる彼らの行く末は…という一作。疑似3Dとでもいえそうな斬新なコマ割り、精緻を極めるビジュアルは日本の漫画ファンにこそ見てほしい。三匹の健気な戦いが胸を打つ名作。個別記事はこちら。
44位 はつかねずみ - 日野日出志
ホラー漫画界の重鎮、日野日出志先生の作品からチョイスした一作。ペット屋で買ったハツカネズミが、飼育放棄されたために共食いをおこし、怪物のように巨大化。少年たちの一家を地獄に叩き落とすという内容。巨大ネズミが赤ん坊を食い殺し、母親が発狂するシーンがトラウマですね。この短編集は他にも「幻色の孤島」と「蔵六の奇病」を収録していて、お得度が高いです。ただしプレミア価格なのでお得ではないです。
43位 サンドマン - ニール・ゲイマン
- 作者: ニール・ゲイマン,Neil Gaiman,海法紀光
- 出版社/メーカー: インターブックス
- 発売日: 1998/04/08
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非ヒーロー系のアメリカンコミック。不滅の存在である夢の王・ドリームと、彼の兄弟姉妹たちを描く幻想譚。DCコミック系列なので、コンスタンティンやジョン・ジョンなどもところどころに出てきます。日本語訳されているのが5巻しかないのが残念。ヴィレッジブックスあたりで全エピソードの翻訳刊行しないかな。個別記事はこちら。
42位 ファン・ホーム ~ある家族の悲喜劇~ - アリソン・ベクダル
- 作者: アリソン・ベクダル,椎名ゆかり
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2011/03/16
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女性コミック作家の自伝的物語。父の死をきっかけに、自分と父の関係、母との関係、家族の在り方を振り返るという内容。父親との共通の話題であった現代文学の作品からテキストを引用しながら、家族のアルバムを見直していくような口調で語られる作者の誠実さが印象深い。個別記事はこちら。
41位 おちけん - 川島よしお
『グルーム・パーティー』とどちらを選ぶか迷ったんですが、1巻でまとまっていて、より幅広い層から支持されそうな本作をチョイス。大学の落語研究会を舞台にした4コマコメディで、落語の勉強もできるというお得な1冊。落語が持つ優しさ・大らかさに救われる主人公の姿が健気で良い。
40位 息をつめて走りぬけよう - ほんまりう
顔もダメ・頭もダメな男子高校生たちが、自分の自信をつけるべく体を鍛えるが、その果てにあったのは予想もしない結末だった…。驚くくらい完成度が高く、時代を超えた普遍性があるんだけど、マイナーすぎて全然知られていない。復刊されてもいいくらいだと思うんだけどなあ。個別記事はこちら。ネタバレあり。
39位 ゴーストワールド - ダニエル・クロウズ
- 作者: ダニエル・クロウズ,Daniel Clowes,山田祐史,PRESSPOP LAB
- 出版社/メーカー: PRESSPOP INC
- 発売日: 2011/12/15
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日本のダメダメな男子高校生の青春が↑だとしたら、こちらはこちらはアメリカのダメダメな女子高生の青春日記。主人公であるレベッカとイーニドの2人が、“自分たちのこれから”という誰もが直面する怪物と向き合い、折り合いをつけていくさまを描く。「もし私達が別々になることを考えると すごく恐い…だからって30歳になってもこのままだったらそれも気味悪いし…」というセリフがすべてを語っています。個別記事はこちら。
38位 AKIRA - 大友克洋
世界のオオトモの代表作。アニメ映画のほうも有名ですが、SFアクション漫画としての原作も負けず劣らず名作です。漫画としてのクオリティが高く、緻密な描き込みと大胆な構図は漫画家としての大友克洋の力量をうかがわせる。アニメよりも希望を感じさせるラストが清々しい。『さよならニッポン』と迷ったけど、作品としてのスケールのデカさを考えてこちらをチョイス。
37 ジョジョの奇妙な冒険 -荒木飛呂彦
外さないわけにはいきませんね、みんな大好きジョジョです。さすがに超長期連載だけあって、いつ読んでもいろんな発見があります。荒木節とでもいえる特徴的なセリフ回し、独特のポージング、そしてバトル漫画に革命をもたらしたスタンドという概念など、語れることが多すぎますね。いわゆる神回の多さも特徴。個人的には6部が好きです。
36位 刑務所の中 - 花輪和一
銃刀法違反でしょっ引かれた怪奇幻想漫画家の花輪和一が、自身の刑務所生活を生々しく描いた作品。刑務所内のしょうもない人々の悲喜こもごも、刑務所ならではの奇妙なしきたりなどなかなかお目にかかれないことが細部にいたるまで丹念に描かれています。あとメシが美味そうなんだよ、これがホントに。
35位 孤独のグルメ - 原作:久住昌之、作画:谷口ジロー
テレビドラマも人気な本作。主人公のゴローちゃんが、とにかく淡々と飯を食うという、ただそれだけの漫画なのに面白いんだからビビる。久住昌之×谷口ジローの2人の才能のたまものですね。漫画の“食”ジャンルに、グルメでも奇食でもなく、“食欲”という一分野を築いた偉大な作品でもあります。個別記事はこちら。
34位 本気!(マジ)- 立原あゆみ
少年チャンピオンで連載されていた本格任侠漫画。ヤクザ、ではなく任侠ですね。主人公の男気と彼にホレる人々の織り成す人間ドラマが魅力です。シノギとか抗争とか、ホントに少年誌に掲載していいのっていうくらい、極道の世界がしっかり描かれているのがすごい。個別記事はこちら。
33位 長い夢 - 伊藤潤二
ホラー漫画のベテランである伊藤潤二。短編の旗手ですが、おススメはこちらの『長い夢』。もし寝ているときに見る夢がどんどん長くなっていったら? その長さが永遠に感じられるくらいになったら? 想像しえない恐怖を、漫画ならではで描いた奇跡のような一作。この短編集には、ほかにも『なめくじ少女』や『漂着物』といった佳作も収録。
32位 光る風 - 山上たつひこ
いつの時代ともつかない日本を舞台にした、近未来ディストピアドラマ。軍国主義に支配され考えることをやめた人々、体制維持のためにたやすく人倫を踏みにじる国家権力など、うすら寒くなるような現実感があります。主人公の最後の姿は、時代を超えた読者への警告でしょう。個別記事はこちら。
31位 アストロシティライフ・イン・ザ・ビッグシティ - カート・ビュシーク
アストロシティ:ライフ・イン・ザ・ビッグシティ (DC COMICS)
- 作者: カート・ビュシーク,ブレント・アンダーソン,秋友克也,石川裕人
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2014/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スーパーヒーロー&ヒロインという存在を、もっと現実世界に即して描いてみたら? そしてヒーローたちが生きる街に住む人々は、どんなことを考えて生活しているのか? そんな疑問をコミックの形にした1作。スーパーマンやバットマンといった歴史あるヒーローたちではなく、本作のために誕生したオリジナルのヒーロー&ヒロインが出てくるので、アメコミ初心者でも読みやすいです。最近復刊されました。個別記事はこちら。
30位 鉄鍋のジャン! - 作:西条真二、監修:おやまけいこ
最強のグルメ漫画を選べと言われたら、文句なしでこの作品を選びます。基本的には料理バトルしかしておらず、「美味い料理を作る!」というまさにそれだけをテーマにした、ストロングスタイル。グラップラー刃牙の方向性で料理漫画作ったらこうなりました、みたいな作品です。でも出てくる料理は基本的に再現可能なものばかり。料理の味の説明、なぜこの料理が優れているかといった解説も納得感があって素晴らしい。個別記事はこちら。
29位 シグルイ - 原作:南條範夫、作画:山口貴由
原作は残酷時代小説の大家である南條範夫先生ですが、ほとんど原案といっていいくらい、山口貴由による大幅なアレンジが加えられています。死狂いのタイトルに違わず、ちょっとアレな登場人物がダース単位で出てきまして、奇人変人チャンバラ無残といった風情さえある。虎眼先生のインパクトは一度見たら忘れられまい。い、いくぅ。
28位 死と彼女とぼく - 川口まどか
死と彼女とぼく 全5巻完結(文庫版)(講談社漫画文庫) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 川口まどか
- 出版社/メーカー: 講談社
- メディア: コミック
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計らずも29位と死つながりですが、こちらは純然たるホラー漫画。死者が見える少女と、死者の声が聞こえる少年、そして現世をさまよい続ける死者たち。彼らの苦しみと恐怖と、少しの救いを描くホラードラマ。サイレント映画のようにとぎすまされた静かな筆致と、淡々としたセリフ回しが恐ろしくも悲しい。個別記事はこちら。
27位 夢幻紳士 怪奇編 - 高橋葉介
夢幻紳士 (怪奇篇) (ハヤカワコミック文庫 (JA889))
- 作者: 高橋葉介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 文庫
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短編ホラー&ファンタジーの天才・高橋葉介、そのライフワークともいえる夢幻紳士シリーズからこの1冊をチョイス。ハヤカワ文庫コミックのほうが1冊にたくさん収録されてます。「幽霊船」、「老夫婦」、「幽霊婦人」、「沼」、「昇降機」など悪夢的・幻夢的なエピソードが満載で読みごたえあり。
26位 日出処の天子 - 山岸凉子
超常的な力を持ちながら満たされない孤独を抱える厩戸皇子(=聖徳太子)と、そんな彼にも分け隔てなく接することのできる蘇我毛人。2人の交流と飛鳥時代の政治ドラマを重層的に描いた傑作です。少女漫画としてはかなりキワドイ描写も出てくる、かなり挑戦的な作品でもある。山岸凉子先生は短編から選ぼうかと思ったんだけど、まずはこの作品から読むと彼女の非凡な才能が味わえます。
25位 アイシールド21 - 原作:稲垣理一郎、作画:村田雄介
アメフトを題材にした少年スポーツ漫画。生き生きとした登場キャラとアメフトシーンの迫力、二転三転するドラマチックな試合展開など、アメフトと言うスポーツのルールや面白みがわからなくても、すんなり読めてしかも楽しめるのがすごいところ。クールで悪者に見えて、その実、誰よりも熱いハートを持っているヒル魔が好き。単行本のおまけページの充実具合もビビる。
24位 漂流教室 - 楳図かずお
SFホラー漫画としては、たぶん1・2を争う傑作ではないでしょうか。文明が滅んだ未来へと、学校ごと飛ばされてしまった主人公たち。ハードでシビア、ホラーかつバイオレンスな描写が少なくないため、ともすればホラー漫画として読まれがちですが、友情や犠牲の精神、子供たちの成長、親子の愛情といった人間ドラマもふんだんに盛り込まれています。個別記事はこちら。
23位 バットマン:マッドラブ - 原作:ポール・ディニ、作画:ブルース・ティム
バットマン:マッドラブ/ハーレイ&アイビー (ShoPro Books)
- 作者: ポール・ディニ,ブルース・ティム,石川裕人
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2011/03/01
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アニメから逆輸入されたバットマンの人気キャラ、ハーレイ・クイン。そんな彼女が愛しのプリンちゃんの気を引くため、バットマンを罠にかけようと奮闘する…というエピソード。ハーレイのオリジンについても語られている貴重なエピソードで、バットマンのコアなファンでもバットマン初心者でも楽しめます。作画は我らのBT先生。絵がセクシーかつキュート。個別記事はこちら。
22位 Fables - Bill Willingham
Fables Vol. 1: Legends in Exile (New Edition)
- 作者: Bill Willingham,James Jean,Alex Maleev
- 出版社/メーカー: Vertigo
- 発売日: 2012/05/22
- メディア: ペーパーバック
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はい、このブログでも絶賛翻訳中のFablesです。おとぎ話のキャラクターたちが、人間以上に人間臭いドラマを展開する現代ファンタジーコミック。実は決して新品でもなくてもう10年以上連載が続いているのよね。本国でもうそろそろファイナルを迎えそうなところ。今後も翻訳していくのでよろしくお願いします。
21位 風の谷のナウシカ - 宮崎駿
ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)
- 作者: 宮崎駿
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/10/31
- メディア: 大型本
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私にとってはナウシカといえば漫画版のほうです。映画版よりもストーリーは複雑で、対立の原因もより根深いものとして描写されます。旅を通じて繰り返し問いかけられる人間の業、生きることの意味、生命の在り方にナウシカはどのような答えを出すのか。細部まで描き込まれた描写、チヤルカやナムリスといった魅力的なキャラクターに、漫画家としての宮崎駿の才能を思い知るはず。
20位 団地ともお - 小田扉
おバカな小学生・ともおを中心に、何でもない日常とその中にある“気づき”を描く小田扉のライフワーク的作品、になりつつある。ほぼ各話読み切りなんだけど、ブラックジャック的に何回でも読み返せます。細かいギャグの描写もどこかズレてて笑える。個別記事はこちら。
19位 それがし乞食にあらず - 平田弘史
平田弘史先生の短編の中でも、特に読みやすくおススメの短編。困窮し、妻子を犠牲にしてでも忠義を貫き通す武士の姿を、愚かと笑うか、士魂と見るか。ともかく、有無を言わせない迫力があることは確か。この短編集はその他にも「茶筅髪禁止令」、「おのれらに告ぐ」、「叛逆の家紋」といった代表作が収録されており、おススメです。
18 夕凪の街 桜の国 - こうの史代
戦争を知らない世代が、戦争を知らない世代に向けて描いた(であろう)戦争漫画。教科書にすら採用されそうな優しいタッチで、恐ろしく残酷な運命と諦観を描いた「夕凪の街」、戦後の広島市に生きる姉・弟とその父らのそれぞれのヒロシマの受け入れ方を優しく描く「桜の国」。どちらも長く語り継がれるべき傑作。長編ではないのに、言葉を失わせるほど深い読後感があります。
17位 プラネテス - 幸村誠
人類の宇宙進出が今よりももっと進んだ未来。スペースデブリ(宇宙ゴミ)の片づけ屋として働くハチマキらを中心に描かれる人間ドラマ。SFではあるんだけど、描かれているテーマは、成長とか愛とか、人間の宿命とか、普遍的なもの。困難に立ち向かおうとするあまり、周囲が見えなくなってしまったハチマキが、タナベとの交流を通じて愛を知り、人間的に変化する。その過程が実に見事で、最後の「愛することだけがどうしてもやめられない」のシーンは鳥肌だった。
16位 ザ・ワールド・イズ・マイン - 新井秀樹
真説 ザ・ワールド・イズ・マイン 1巻(1)<真説 ザ・ワールド・イズ・マイン> (ビームコミックス)
- 作者: 新井英樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
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人間のモノサシでは測れない価値観を持つモンちゃん、そのモンちゃんに心酔して都内各所に爆弾をしかけるトシ、そして正体不明の怪物・ヒグマドン。三者はときに交わり、離れつつしながら、全世界を巻き込む大災害へとつながっていく。モンちゃんが主人公かと思われがちだけど、実はモン&ヒグマドンにどうにか対応しようとする政治家や警察官、市井の人々のほうが主人公なんじゃないかと思うようになってきた。老ハンターの飯島猛のカッコよさが異常。
15位 ヒットマン - ガース・エニス
アメコミヒーロー&ヒロインたちにも匹敵する超常能力を持ちながらも、裏街道の殺し屋として生きるヒットマンことトミー・モナハン。彼とその仲間たちの騒がしい日常をオフビート感あふれる筆致で描いてます。女の子とのデートに喜び、野球賭博の結果に一喜一憂し、仲間の危機には怒りを露わにし、外道には容赦しない、そんな等身大の男であるトミーの姿が好感。翻訳版は2巻まで刊行中。ぜひ最後まで頑張ってほしいところ。個別記事はこちら。
14位 バットマン:ダークナイト・リターンズ - マーク・ミラー
DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)
- 作者: フランク・ミラー,クラウス・ジャンセン(画),リン・ヴァーリイ(彩色),石川裕人,秋友克也
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: 大型本
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現代的な「暗く・重々しいバットマン」の走りとなったマーク・ミラーの傑作。引退したバットマンが、混迷を極めるゴッサムシティに再び舞い降り、ギャングや市警、ジョーカー、スーパーマンらと戦いを繰り広げる。ミラーお得意の哲学的セリフも多用されていて、読み進めるのはちと困難ですが、面白さは保障します。
13位 あっかんべえ一休 - 坂口尚
早逝した稀代の漫画家・坂口尚の代表作。一休さんこと一休宗純の生涯を描いた歴史大河ドラマ。アニメと違って、常に迷い・苦しみ・哀しみながら人生を切り拓いていく一休宗純の姿が胸に迫る。「仏の道には『たどり着く先』などないヨ…… あると思うことがどれほど人々を惑わしていることか……」というセリフには救われました。
12位 アドルフに告ぐ - 手塚治虫
出ました、神様の作品です。第二次大戦中を生きた3人のアドルフと、ヒトラーに隠されたある秘密を巡って、戦争の愚かさ、差別の無意味さを描く。『きりひと賛歌』や『奇子』といった手塚治虫の長編の中でも特にエンタメ度が高く、読み始めたら止まらないくらいハマります。もちろん実際の歴史とは全然違うんだけど、こまけえことはいいんだよ。スターシステムで出てくるアセチレン・ランプが不気味でカッコよかった。
11位 薩摩義士伝 - 平田弘史
幕府から薩摩藩に下された濃尾治水工事の命令は、命を落としかねないほど過酷で危険な工事だった。そんな工事に従事する薩摩の下級武士たちの悲壮な覚悟と忠義、忍耐、その他もろもろの感情を、迫力ある骨太な筆致で描いた時代劇画。全6巻でストーリーは唐突に終わるんだけど、間違いなくそれでも読む価値あり。必ずしも真面目一辺倒でもなくて、ところどころにお遊びシーンもあるのもすごいわ。
10位 ヴィンランドサガ - 幸村誠
幸村誠、2作目です。バイキングの時代を舞台に、父の仇を討つために戦乱に身を投じる少年・トルフィンが主人公。戦争や運命に翻弄されながら、次第にトルフィンは“本当の戦士”とは何かを求めるようになっていく。農奴になってからの展開が一部で不評を買っていますが、俺はむしろそこからがドラマの始まりだと思ってるけどなー。ヴァルハラの夢の中、泣きながらトルフィン謝るところは屈指の名シーンだと思います。
9位 覚悟のススメ - 山口貴由
はい、山口先生の2作目。熱く・テンションの高い世紀末バイオレンス・ヒーロー漫画。強化外骨格を身にまとう主人公・覚悟の姿と、登場人物たちのセリフのひとつひとつが、いちいち震えるほどカッコいい。全100話できっちりスッキリまとまっているのも良いですね。個別記事はこちら。
8位 マッドメン - 諸星大二郎
パプア・ニューギニアからやって来た少年・コドワと、彼の異母姉妹である日本人の波子。2人の関係を軸にしながらニューギニアの創世神話を描き、しかも日本神話とリンクさせてしまうと言う壮大な作品です。ニューギニアの神話、文化人類学・民俗学的の知識などちりばめられていてガッツリ読みごたえがあります。『暗黒神話』とどちらにするか迷ったけど、峰隼人の最期が好きなのでこちらをチョイス。
7位 バットマン:キリングジョーク - 原作:アラン・ムーア、作画:ブライアン・ボランド
バットマン:キリングジョーク 完全版 (ShoPro books)
- 作者: アラン・ムーア(作),ブライアン・ボランド(画),秋友克也
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/01/21
- メディア: 大型本
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バットマンのエピソードの中で一番好きなのを選べと言われたらこれ。悲喜劇としか言いようのないジョーカーのオリジンと、その彼の犯行を同時並行的に描くことで、稀代の悪役キャラの魅力(特にダークサイド)をあますところなく見せてくれる。最後のページで笑いあうバットマンとジョーカーの姿が、2人の間の奇妙な関係を浮き彫りにしてくれている。個別記事はこちら。
6位 うしおととら - 藤田和日郎
少年漫画の最高峰を挙げろ、と言われたら個人的にはこれを推します。全編通して胸が熱くなりっぱなし、主人公の1人と1匹はもちろん、サブキャラたちもいちいちカッコいい。個人的なことを言わせてもらえば、俺が人間のクズにならないのは、10代のころに『うしおととら』に出会えたからと言ってもいいくらい、いろんなことを教わった。妖怪バトル漫画としても楽しめるし、バディものとしても楽しめる。ゾッとするようなシーンやエロスを感じさせるアダルトな要素も魅力。個別記事はこちら。
5位 シュトヘル - 伊藤悠
シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: 伊藤悠
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/03/30
- メディア: コミック
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失われつつある西夏文字を守るため、1人の少年と1人の女戦士はモンゴル国と敵対することになる。強大なモンゴル国の追っ手をかわしながらも、彼らはやがて大きな戦乱に巻き込まれていくことに…という物語。物語の説明が難しいんですけど、文字を巡って絡み合う登場人物らの群像活劇と、大胆な構図で描かれる戦闘シーンが非常に面白いです。イケメンが多数登場するので、もっと女子に人気出てもいいと思うんだけど。現在10巻まで刊行中。
4位 寄生獣 - 岩明均
説明不要の名作ですね。寄生獣のすごいところって、どこまでいっても新一とミギーの関係性か中心だということよね。ハリウッドみたく物語が肥大化することもなく、地に足のついた範囲で話が展開していく。だから感情移入できるし、いつの時代でも読める。完結して20年経った今でも映画化されるっていうのもうなづける話だ。まあ映画のほう観ないですけど。田村玲子が好き。個別記事はこちら。
3位 ブラックジャック - 手塚治虫
ブラック・ジャック (1) (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 1974/05
- メディア: コミック
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神様の作品2つめです。すでに名作であることは語りつくされてますが、それでもやっぱり何回読んでも面白い。適当な巻で単行本取って、何の不安もなく読み進められるっていうのは、やっぱり面白さの安定度がケタはずれな証拠だと思う。好きなエピソードはいろいろあるけど、「あつい夜」や「密室の少年」、「なんという舌」などなど。いくらでも語れるわ。
2位 不安の立像 - 諸星大二郎
諸星先生の2作目。短編です。いつもの通勤電車から見える、線路脇にたたずむ黒い影、その正体を探ろうとしたサラリーマンが見た物は…という、ミステリホラー。単純なんだけどコマの運び方や正体を探るまでの細かい演出などが相まって、宝石のような完成度を実現しています。この短編集は、他にも『袋の中』、『子供の遊び』といったホラー色の強い作品が多めでおススメ。『ユニコーン狩り』も秀作。個別の記事はこちら。
1位 ウォッチメン - 原作:アラン・ムーア、作画:デイブ・ギボンズ
WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)
- 作者: アラン・ムーア,デイブ・ギボンズ,石川裕人,秋友克也,沖恭一郎,海法紀光
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2009/02/28
- メディア: 単行本
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言わずもがなの大名作。アメコミのみならず、世界のコミックのなかでも屈指の名作だと信じています。細部まで作り込まれた魅力的なキャラクターたち、ちりばめられた隠喩と暗喩、幾重にも張り巡らされた伏線、パルテノン神殿のような完璧な構成、予想もつかない驚愕のストーリーなど、非の打ちどころが見つからないほど完璧な作品。読まずに死ねない、というか今すぐ読め! 個別記事はこちら。
以上、100作品でした。あー、ちかれた。
※この記事は旧ブログの記事のリライトです。