個人的にオススメの洋画ベスト30を紹介する
ブログの引っ越し記念として書いてみる。ルールは以下の通り。
- 洋画オンリー。
- ジャンル縛りなし。アニメ作品等も含む。
- 個人の嗜好・価値観でチョイス。
2015年9月時点でのベスト30です。ミーハーな作品多め。将来の趣味・好みの変化、これから観る作品次第で、来月には入れ替わっている可能性もあるよ。
いちおう30位~1位の順に紹介していますが、どれも面白いので、TOP30ではなくベスト30と思ってもらえると幸い。あと、なぜベスト100じゃなくて30とかいう中途半端な数かと言うと、単に観ている数が多くないからです。
それではスタート。
30. ゼイリブ
格差が進んだ近未来。日雇い労働者の主人公は、偶然にも世界の影の支配者たちを見抜くことができるサングラスを手に入れる。この陰謀を暴くべく、彼は孤軍奮闘することになるが…というSFサスペンス&アクション。資本主義のカリカチュアっぽいというか、皮肉とブラックジョークが効いていて、単なるSFサスペンスにカテゴライズできない魅力がある。貧富の格差が進んだ現在に見ると、また違った面白さが楽しめるかも。中盤にある謎のプロレスシーンが最高ですね。最近、主演のロディ・パイパーさんが亡くなりました。合掌。
29. スティング
ギャングに相棒を殺害された若き詐欺師が、敵討ちのために一線を引いた伝説的な詐欺師と手を組み、ギャングを罠にはめるというクライム・コメディ。とにかく映画全体の雰囲気が軽妙洒脱で、愉快・痛快に楽しめる傑作。詐欺をテーマに扱っているだけあって、観ている側も何度もだまされますが、それが嫌味になっていないというのはスゴイ。ポール・ニューマンのカッコよさ、若きロバート・レッドフォードの演技も見事。テーマ曲の「ジ・エンターテイナー」も良いです。
28. ダークマン
ダークナイトじゃねえよ、ダークマンだよ。謀略によって全身やけどを負った主人公は、痛覚と自らの顔を失ってしまう。彼は、どんな人物にも変装できる人工皮膚を使い、ダークマンとなって復讐の戦いを始めた…。監督はサム・ライミ、主演はリーアム・ニーソン。マイナーな作品ですが、アメコミ映画好きなら間違いなく楽しめるはず。1990年の作品なので、さすがにチープというか奇天烈な演出もありますが(特に主人公がキレるシーン)、新しいダークヒーローを作ろうという真摯な意欲がひしひしと伝わってくる佳作。本国では続編も出たらしいけど未見。
27. 羊たちの沈黙
ストーリーの説明は不要な有名作ですね。これまで一部の好事家にしか評価されてこなかったサイコクライム・サスペンス映画を、一般層にも受け入れやすく・わかりやすく示した功績は大きいと思います。実際、映画として良くできていて、キャラクター設定や殺人シーンのショッキングさ、緊迫感にあふれた会話シーンなど見事だと思う。ハンニバル・レクター博士、そしてクラリス・スターリングという稀有なキャラを生み出しただけでも、映画史に残る。
26. トレマーズ
アメリカ西部の辺鄙な町に凶暴生物が襲来! グラボイズと名付けられたその怪物は、地中を掘り進み人間を一人ずつ丸呑みにしていく。町民たちは団結してグラボイズと戦うことになるが…。B級テイストにあふれたモンスター・パニック映画。グラボイズのデザインと、その設定を活かした戦い方が観ていて面白い。町民たちのキャラも笑える(特に銃器マニア夫婦)。ケヴィン・ベーコンが冒頭のたばこ吸うシーンが最高にカッコいい。いい意味で何も考えずに見られる、モンスタームービーのお手本的一本。
25. ファーゴ
借金返済のために妻の偽装を誘拐を計画した男。完ぺきかと思われた計画だったが、不運なミスが重なり、事態は思わぬ方向へ…という犯罪ドラマ。不幸が雪だるま式に増えていく過程だけでなく、そういった中でもなお金銭や見栄、保身のために行動してしまう人間存在のやりきれなさが哀れを誘う。ストーリー自体はどうということもないけど、会話シーンや俳優陣の演技、演出は、さすがコーエン兄弟としか言いようがない手堅さ。地味だけどすごく面白いです。
24. エクソシスト
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言わずと知れたホラー映画の金字塔。悪魔憑きの描写、サブリミナル的に挿入される不気味な映像、耳に残るテーマ曲など、単純なホラー映画としてももちろん面白いんだけど、善悪の存在をどう解釈するか、いろいろ考えさせてくれる映画だった。最後の戦いにまで聴診器を持ってくる(=悪魔憑きを疑っている)カラス神父が、神の御業ではなく個人の自己犠牲によって悪を打倒するというのが良いですね。
23. ヒックとドラゴン
ドラゴンとの戦いに明け暮れるバイキングの一族。そんなバイキングの一員でありながらも戦いが苦手な少年ヒックが、ひょんなことから一匹のドラゴンと仲良くなる。彼はドラゴンをトゥースと名付け、徐々に交友を深めていく…。典型的な「少年×人外の友情ストーリー」なんだけど、トゥースの魅力的な表情、ヒックが見せる勇気、2人の友情などが丁寧に描かれていて、観応えは十分。この映画で一番素晴らしいのは、最後の戦いでヒックが大きな代償を払うことだと思う。
22. セント・オブ・ウーマン ~夢の香り~
信念を取るか・進学を取るかに悩む純朴な男子高校生と、人生に悲観し、死に場所を求める盲目の退役軍人。2人の心の交流を描いた人間ドラマです。退役軍人役のアル・パチーノの演技が恐ろしいくらいに上手く、これだけでも観る価値あり。本当に目が見えていないんじゃないかと誤解するほどに壮絶。2人のケンカのシーンと、ラストの大演説シーンは、何度見返しても胸が熱くなる。
21. リベリオン
近未来の管理社会を舞台で繰り広げられる、銃撃SFアクション。ストーリーそのものはどうということもないんですが、銃と近接戦闘を組み合わせた架空の戦闘技術「ガン・カタ」がとにかく最高。「日本刀を銃に置き換えた殺陣」といっても過言ではないくらいに、爽快感と外連味あふれるアクションシーンを実現させています。ボンクラ男子にはたまりませんな。後世の作品への影響もデカくて、いろんな作品に取り入れられています。これが『ジョン・ウィック』のガン・フーに結実するのかな。知らんけど。
20. スターシップ・トゥルーパーズ
突如人類を襲った巨大な虫型宇宙生物。これに対抗するために地球連邦軍に入隊した若き主人公たちの過酷な戦いと成長を描くSFアクション。と言ってしまえばそれだけなんだけど、全編にただようそこはかとないバカっぽさやプロパガンダ映画のような仰々しさ、アメリカン青春映画をカリカチュアライズしたような恋愛要素・成長要素もあって、なんともひと言では言い現わしにくい映画に仕上がってます。原作はハインラインの『宇宙の戦士』。未読だけど、多分これ以上ないくらい最高の映像化。
19. メメント
記憶障害のため10分ごとに記憶を失ってしまう主人公。彼はポラロイドカメラでメモを取り、重要なことは体にイレズミを彫ることで、妻を殺害した犯人を追っていた。しかし、それでも記憶と記録は混乱し始め、彼を追い詰めていく…。時系列的に現在から過去へとさかのぼることで種明かしをしていくという、斬新な構成が光るサスペンス。ノーランの凝った演出、主演ガイ・ピアースの焦燥感あふれる演技が素晴らしい。映画にしかできない見せ方で、しかも実際に観てみないとその面白さが分からないと言う、稀有な作品。
18. プリズン211
囚人たちの暴動に巻き込まれ、刑務所内に取り残されてしまった新任職員のフアン。身を守るため、彼は自らを囚人と偽って暴動の指導者に取り入り、奇妙な友情をはぐくんでいく。しかし事態は思わぬ方向へ…。スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞を8部門獲得した作品で、設定とストーリーが見事にマッチ。若干説明不足なところもあるけど、110分とは思えない充実した映画体験が楽しめます。あとちょっとホモっぽい。B級と思われがちですが、まごうことなき特A級タイトル。隠れた名作を探している人におススメ。
17. V フォー・ヴェンデッタ
管理社会化が進んだイギリスで、ひとりの少女が仮面の男に命を助けられた。男の名はV(ブイ)。Vは卓越した頭脳と恐るべき計画で、体制を崩壊させるための革命を始める…。みんな大好き、アラン・ムーア先生の同名グラフィック・ノベルが原作。コミックと比べるとさすがにストーリーは省略されてますが、それでもムーア漫画の映像化としては良くできてるし、作品の本質は失われていません。花火のシーンは美しく、エプロン姿のシーンは可愛い。もちろん戦闘シーンはクールで胸アツ。いやー、ナイフ使いってロマンですよね。
16. ダークナイト ライジング
出た、ダークナイト。ノーラン・バットマンの3部作目。いろいろ評価は分かれているみたいですけど、俺は普通に面白いと思うし、感動した。バットマンがゴードンに対し、「ヒーローはいる。少年の肩にコートをかけ、世界の終わりではないとはげましてくれる男だ」って言うシーンで男泣き。そしてラスト、ゴッサム市警vs凶悪犯軍団の大乱闘シーンで雄叫び。この2つのシーンこそ、ノーラン・バットマンのテーマである「人は誰でもヒーローになれる」の象徴でしょう。ジョーカーが出ていないからとかいう理由で本作を毛嫌いするやつには、バッタラン食らわす。
15. 遊星からの物体X
説明不要、SFサスペンスの傑作ですね。ひとり、またひとりと謎の地球外生物に同化されていく恐怖、閉鎖空間という緊迫感、そして「それ(The Thing)」の秀逸なデザイン、リアリティーありすぎな特撮など、公開から30年経った現在でもまったく見劣りしない内容です。グロテスクで観る人を選ぶという点を除いて、欠点らしい欠点が思いつかない。原作は編集者としても活躍したジョン・W・キャンベルのSF小説。
14. フルメタル・ジャケット
前半はハートマン軍曹のプロモーションビデオ。後半はオマケ映像です。うそ。いわゆる「戦争の狂気」をキューブリックならではの筆致で描いた作品なんですが、前半は海兵隊の新米たちが一人前の殺人者になるまでを、後半はその実戦での様子を描いています。前半に登場するハートマン軍曹が最高で、新米たちをしごくために罵詈雑言をあびせかけてくるんですが、これがもうウットリするほどのマシンガントーク。「泣いたり笑ったりできなくしてやる!」は名言だと思います。薄ら寒くなるものを感じさせるラストのミッキーマウス・マーチもグッド。
13. キャプテン・アメリカ / ウィンター・ソルジャー
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マーベルシネマユニバース作品は、まだ全部観きれていないんですが、キャプテン・アメリカ作品は好き。前作『~ファーストアベンジャーズ』での氷漬けから目覚めたキャップの活躍を描いたアクション大作。「まっとうなアメリカ人」の体現たるキャプテン・アメリカとその仲間たちが、新世界秩序によるゆがんだ正義に立ち向かう姿は、観ていてシンプルに感情移入できます。前作よりも肉弾戦が多くて、重量感のある殴り合いが迫力満点です。シールドを使ったアクション、ナイフを持ったバッキーとの戦闘シーンも最高。
12. ベイマックス
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こちらもMCU、ってことになるんですかね。評判がいいので観に行ったら、これがまあ面白いこと。日本版の宣伝方針はアレでしたけど、笑えて泣けて熱くなるという三拍子そろった傑作アニメ。ベイマのセリフや一挙手一投足にいちいち笑う。それと、ヒロがヨーカイに復讐をやめるよう諭すシーン、字幕では一部しか翻訳されてなかったけど、「復讐では何も変わらない。知ってるんだ、僕を信じて(This won't change anything. Trust me, I know.)」って言うんだよ。このI knowがすごく重いセリフだと思う。子供向けだけど子供だましではない、ディズニーの本気が垣間見える作品。
11. ゴジラ(2014年版)
ギャレゴジ。人間ドラマパートが不要って言う人もいるけど、個人的には気にならない。確かにちょびっとだけ冗長な気はしたけど、人間側の描写もすることで「もしこの場にいたらどう感じるだろうか」の感情移入を助けてくれている。怪獣に父母を奪われたフォード君が、ムトー夫妻の産んだ卵を焼却するというのはすごく良いですね。焼き尽くす前に、一瞬だけためらう素振りを見せていたのもグッド。あとゴジラの存在感が、カップルにいちゃもんつけるヤクザそのものでビビる。ゴジラ先輩と呼ばせてもらおう。アトミックブレス吹いてる姿に「スゲエ! 今の見たか!?」って叫んでる兵隊さんがいて笑った。
10. マッドマックス 怒りのデスロード
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最近の作品が続きます。これもヤバかったですね。映像もさることながら、説明セリフを削りつつ、キャラの何気ない会話やしぐさ・格好、舞台セットのなどから作品背景の広がりを感じさせるのがスゴい。主役であるはずのマックスが、戦いの主役ではなく、フュリオサたちのサポーターに徹しているのも素晴らしい。彼はあくまで虐げられし人々を導くだけであり。そしてその過程で、彼自身もまた救われているのだ、という。好きなシーンは砂嵐の中でウォーボーイズたちが吹っ飛ぶところと、ニュークスがマックスにチェーンを手渡して「ヘイ、兄弟!」って言うところ。しかし初代の無印マッドマックスと見比べると、天地ほども違うな。
9. マトリックス
超有名作ですね。高校生の時、自分のお小遣いで仲のいい友人たちと観に行ったので、かなり思い入れあります。仮想現実空間、新機軸のスタイリッシュアクション、カンフーと禅、人間対コンピュータ、クールな衣装とガジェットなどなど、SF好きや映画ボンクラが好きそうな要素てんこ盛り。あの弾丸避けのシーンは、当時観た少年たちでマネしなかった人はいないんじゃないでしょうか。後世に与えた影響のデカさを考えると、マトリックス以前・以降と分けられるくらいなんだろう。OSTも豪華でRATMとマンソンが参加してたはず。でも続編は未見。
8. バットマン:ダークナイト リターンズ
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厳密には映画じゃなくてOVAですが、好きなのでピックアップ。フランク・ミラーによる同名コミックが原作で、老いたバットマンが、混乱を極めるゴッサムを救うために再び立ち上がるというストーリー。とにかく作画のクオリティが素晴らしく、こういうの観るとジャパニメーションなんて嘘だと思いますね。原作コミックにあったやや難解なモノローグは適度に簡略化され、バットマンがなぜ・なんのために戦うのかを、ハイクオリティなアニメ映像で楽しむことができます。ジョーカーとの壮絶な戦い、ラストのスーパーマン戦だけでも観てほしい。ところどころに散りばめられた小ネタも面白いです。『スーパーマン v バットマン』の予習として。
7. トゥモローワールド
なぜか人類に子供が生まれなくなった近未来、役人として働く主人公は、かつての恋人に頼まれて不法滞在中の女性を保護することになる。しかも、その女性は妊娠していた…というディストピア系SF。もともと原作つきらしいんですが、「子供が生まれなくなった世界」というワンアイディアをこれほど上手く映画にできたのは、キュアロン監督の手腕によるところが大きいんでしょう。長回しのカットが臨場感を盛り上げていて、最後の銃撃戦のところは息づまります。あのシーン、赤子を抱いて兵士たちの間を通り抜けるところでちょっと泣いちゃったんだよね。子供の代わりに愛玩用のペット犬がたくさん出てきて、犬好きにも必見の映画。きわめて良質なSFです。
6. サウスパーク 無修正映画版
アメリカのCATVで人気のアニメ「サウス・パーク」、の劇場映画版。カナダの人気コメディアンのマネをして、オナラに火をつけたケニーが例によって死亡(開始10分)。大人たちは、ケニーの死亡をコメディアンのせいだとして抗議活動を展開、アメリカ対カナダの戦争にまで発展する。さらに地獄に落ちたサダム・フセインとそのホモダチの魔王サタンが(以下略)。サウスパークらしさはそのままに、下品でバカでちょっと(あるいは大いに)考えさせられる物語を展開。ミュージカル映画でもあり、異常にクオリティの高い劇中歌が多数登場します。「カイルのママはスーパービッチ」は名曲中の名曲。シャレ・下ネタの通じる大人同士で見ましょう。
5. モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル
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イギリスのコメディ・グループ、モンティ・パイソンによる「アーサー王の聖杯伝説」のパロディ。パロディというか壮大なコントです。アホすぎる会話の応酬、強烈かつマヌケなキャラクターたち、真面目に考察するのもためらわれるぶっ飛んだストーリー展開(でも本作が一番史実に忠実という指摘もある)など、これでもかというくらいにジョークとユーモアにあふれてます。ただしイギリス的な笑いなので、好みの問題はあるかも。それにしたって最高だと思うけどね。パイソニアンなら常備しておきたい一作。好きなキャラクターはニッの騎士。ニッ!
4. 第9地区
『チャッピー』も大ヒットした二―ル・ブロムカンプ監督の出世作。ヨハネスブルクに不時着した難民エイリアンと、そのために大きなトラブルに巻き込まれてしまった一人の人間男性の逃避行を描いたSFアクション。話しだけ聞くと「ふーん」みたいな印象ですが、モキュメンタリー形式を取っているので、臨場感と感情移入度がハンパない。どこか間の抜けたエイリアンたちと、彼らを搾取しようとする人間たちの対比が、いろいろと考えさせられるね。一方、主人公は徹底的に自分本位で行動するんだけど、最後の最後で頑張るので、そこんところも見どころ。あくまでも「SF超大作と見せかけた社会派SF、と思いきや純粋に誰もが楽しめる娯楽作品」として仕上がっているのが、本作の一番すごいところだと思います。
3. ダークナイト
出ました。男はみんなダークナイトが好き。わざわざ好きと言うまでもないくらい好き。ヒース・ジョーカーの演技にばかり気を取られがちですが、二転三転するストーリー展開、CGに頼らない高度な撮影技術、苦悩するヒーロー像と魅力的な脇役たちなど、観賞のたびに新しい発見があるくらい見どころ満点。『~ライジング』と同様、本作でも「誰でもヒーローになれる」が描かれていますが、同様に「誰もが悪に堕ちうる」ということも描いています。トゥーフェイスだけじゃなく、一般市民も。そこが本作が長く語り継がれている所以じゃないでしょうかね。
2. 2001年宇宙の旅
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キューブリック監督の代表作。謎の石板「モノリス」や有人木星探査機ディスカバリー号などのエピソードを通じて、宇宙の深淵と生命進化のダイナミズムを描いたSFオペレッタ。1968年公開だから、もう50年近く前の作品ですけど、いま観ても全く古びていないどころか、今なお最先端の洗練された映像美と言ってもいいくらい(特に宇宙船のデザイン&インテリア、HAL9000内部など)。後半からストーリーらしいストーリーは消失し、人類進化の暗示的映像のみになるんですが、あの説明皆無な放り出され感が良いですね。あと、HAL9000によって宇宙船員が無重力空間に放り出されるシーンがあるんですけど、あの無音シーンは映画史上で一番怖いシーンだと思う。『ゼロ・グラビティ』より怖い。
1. インターステラー
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ノーラン監督、4本目です。観た人多いだろうからストーリー説明は省略。いろんな観方ができる映画でして、宇宙探索SFとして観ることもできるしタイムトラベルSFとして観ることもできる。緩やかな終末SFとしても、ひと組の親子の物語としても観れる。こういういろんな顔を持つ作品は、たぶん何年経っても古びないでしょう。映像表現も群を抜いて素晴らしく、水の惑星での大津波や事象の地平面など最後まで度胆をぬいてくれます。そして、人工知能ロボであるTARSのデザイン&キャラクター、彼にはホレた。SF映画史に新たな1ページを作ったと言っても過言ではない。『2001年宇宙の旅』や『猿の惑星』など、作中に散りばめられた名作SF映画との相似点、というかオマージュを探すのも楽しいですね。オマージュと言えば、クーパーとマン博士との殴りあいは、かの有名な「映画史上最も迫力のないアクションシーン」のオマージュだと思うんだけど、どうでしょうか。
以上、オススメの洋画ベスト30でした。こうしてみると、ノーラン作品多いな。『ノーカントリー』とか『スキャナーズ』、『マン・オブ・スティール』、『サスペリア PART2』、『Mr. インクレディブルズ』などが次点ですかね。数がたまったら今後はオススメ100作りましょう。