ファントムダスト

「黒く、かさばっている!」

と、評されたことで記憶に新しい(新しくない)Xbox。無印のXboxね。

パンツァードラグーン・オルタ』とか『ガン・ヴァルキリー』(エロい)とか、

『デッド・トゥ・ライツ』とか『ジェット・セット・ラジオ・フューチャー』とか、

“実はみんなが思っている以上に面白いけど、

案の定、ヒットと言えるほどは売れなかった”悲運のソフトがたくさんあります。

その中でもブッチギリに

「うおっ、何これスゲエ面白い! でも売れてねえ! 笑う!」

とゆーソフトがこれ、『ファントムダスト』です。

ひと言で説明するのが簡単なゲームなので、ひと言で説明します。

トレーディングカードゲーム×三人称アクション」。これです。

トレーディングカードにおける「カード」は、

キャラクターの「スキル」に相当します。

スキルには「レーザー」や「火炎剣」といった攻撃スキルもあれば、

「氷の壁」のような防御スキル、「束縛のツタ」のような行動制限スキルもある。

スキルの使用には「オーラ」が必要で、強力なスキルほど多くのオーラが必要。

このスキルとオーラは「カプセル」の形で

アーセナル」(いわゆる「デッキ」)に組み込まれており、

戦闘時にはランダム順に戦闘フィールドの規定の場所に出現する。

プレイヤーは、出現するカプセルを「キャプチャ」し(つまりカードを引き)、

オーラを貯めたり、スキルで相手を攻撃したりする。

先に敵のライフをゼロにしたほうが勝ち、というわけ。

スキルは全部で300種以上と多種多様。

攻撃スキルなら、衛星レーザーからガトリング砲、ホーミングレーザー、

エナジーブレード、サイキック、格闘技まで。

防御スキルも、単に防御するだけじゃなくて、

“防御したら、攻撃相手の移動を制限させる”バリアなどもあって、

手のうちの読み合いが必要になる。

その他、移動強化(高速ダッシュ、飛行)のスキルや

相手のオーラを消去するスキル、

戦闘エリアの環境を変化させるスキルなんかもある。

これらのスキルで自分だけのアーセナルを組み、戦い、

新たなスキルを手に入れて、アーセナルを調整し、再び戦うという、

脳内麻薬が出まくりの“幸福な殺し合いの螺旋”、これが本作のキモ。

マジック・ザ・ギャザリング」みたいな

純粋なトレーディングカードゲームと一線を画すのは、

アクション部分での腕も試されるということ。

強力かつバランスのいいアーセナルを組んでも、

プレイヤーの腕がヘボいせいで嬲り殺しにされるというのはよくあること。

逆に、スキルがありきたりであっても、

スムーズに立ち回って相手の死角から攻撃したり、

フィールドの遮蔽物や段差をうまく利用したりすれば、

一方的に攻撃することだってできる。

また、前述したとおり、スキルを詰めたカプセルは、

フィールド内の規定の位置に出現するので、

この場所をどう扱うかでも戦略が大きく左右される。

守るか、あるいは守りを捨てて相手を攻撃するか。

スキルの中には、相手のカプセルを破壊するものもあるので、

シビアな選択を強いられることもしばしば……。

このように、自分だけのアーセナルを組む楽しみ、

上手なアクション操作で適切にスキルを発動させる楽しみ、

そしてランダム性が高度に融合したことで

他に比較できるゲームがないほど唯一無二の作品になってる。

ストーリーも面白いんだけど、やっぱり戦闘がメインです、このゲーム。

オンライン対戦にも対応してて、すごく盛り上がった(らしい)んだけど、

いかんせん出るのが3年は早すぎた。

せめてオンライン対戦が普及したXbox360で発売されていたら、

誰もが認める大傑作として評価されただろうに。

とゆーわけで、マイクロソフトさんは『ファントムダスト』を

360でHD化して出すか、あるいは続編として発売してください。買うから。

いや、ほんと傑作なんですけど。

おまけ。プロモーションビデオ。後半に戦闘シーンあります。

まさに超能力バトル。時代が世紀末なのもクール。

ちなみに2:19あたりに登場する背景の丸い玉がスキルのカプセル。

これをキャプチャすることで、スキルがセットされる。

(スキルの種類によって赤や青、白など色が違う)

しかしキャラデザが濃いな。クセがあって、オレは好きだけど。