The Elder Scrolls V : Skyrim

ハッピ・バースデー トゥーユー

ハッピ・バースデー トゥーユー

ハッピ・バースデー ディア

「ジ・エルダー・スクロールズ ファイブ :スカイリ~ム」

ハッピ・バースデー トゥーユー!


いえーい(ドンドンドンパフパフ)。
今日はベセスダの『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下『スカイリム』)です。

アメリカ本国での発売が2011年11月11日、国内版は同年12月8日発売。
まあほぼ1年たった記念として取り上げます。

でもぶっちゃけ、すでにあちこち語られまくっているので、
今さら自分がここで新たに指摘できる要素はないです。(言っちゃった)

『スカイリム』は、The Elder Scrollsシリーズの5作目にあたる作品で、
ジャンルとしてはオープン・ワールドRPGです。
一人称視点・三人称視点を切り替えながら、
自分だけの主人公で、広大なスカイリムの大地を旅するというのが基本。

非常に自由度が高く、最初のクエストさえこなしてしまえば、
あとはプレイヤーごとにいろんな楽しみ方を満喫できるのが特徴。

メインクエストで世界を食らうドラゴンを退治するのもよし、
それとは別に、血で血を洗う帝国とスカイリム地方との内戦に参加するもよし、
同胞団(戦士ギルド)や魔術師大学や盗賊ギルドで成り上がるもよし。

クエストを達成する方法は複数あることが多く、
例えば「アイテム○○を手に入れろ」というお使いであれば、
店で買ってきてもいいし、フィールド上で探し出してきてもいいし、
持ってる人がいるなら盗んでもOK。

同様に、自キャラの戦闘スタイルも剣や片手斧を用いた近接戦闘タイプから
弓による遠隔戦闘タイプ、魔法戦闘タイプ、オールラウンダーと多彩です。

もちろん、各種クエストなんか全部無視して、「一般市民」ごっこにはげむのもあり。
勝手気ままにあちこちのダンジョンを踏破していくこともできるし、
山野を駆け巡ってシカやクマ、サーベルタイガーを狩って生活することも可能。
鉱山に入って鉱石を採掘し、高価な武器・鎧を作成することもできます。

メインフィールドは実物サイズに換算して約16平方マイル。
これは東京都江東区とほぼ同じ広さだそうな(確か。だったはず)。
その中に5つの町と150以上ものダンジョンが設けられており、
膨大な数のNPCと動物・モンスターたちが人工知能システムにしたがって動いている。

思わず「舞台は広大だわ」とつぶやきたくなるほどの広さと深さがあり、
その中で思い思いの冒険を「ロールプレイする」のが本作を楽しむキモです。

もう一度言います。「ロールプレイする」のが、本作を楽しむためのキモとなります。

自キャラは、プレイヤーの意志・行動を投影させやすくするために、
基本的に無個性となってます。
というか、まずキャラメイキングから始めるので、キャラとしての背景がほぼありません。
逆を言えば、プレイヤー自身が脳内設定を行ってください、ということです。

例えば「大斧をぶん回して敵を蹴散らす肉食系女子でいこう」というのであれば、
キャラメイキングから戦闘スタイル、装備・コーディネートまで、
実際にそういうロールプレイを補完してくれる要素が揃ってます。
もちろん、NPCとの会話でも、好戦的な選択肢を選べばいい。

あえて魔法が苦手な種族でキャラメイキングを行い、
「素質に乏しい分、努力で魔法の道を究めようとしている苦労人」という設定にしたり、
スカイリム地方では嫌われ者のダークエルフをプレイキャラとしたうえで、
「それでもなおこの世界を救うべく奮闘する英雄」として楽しむものいいでしょう。

もちろん、脳内設定は脳内設定に過ぎませんから、
自キャラがゲーム内で思い描いたとおりのセリフをしゃべることは、まあほぼ皆無。
自由度が高いといっても限界はあるので、
脳内とゲーム内でのギャップを感じることだってあるでしょう。

だけども主人公は、ゲーム内の自キャラではなく、プレイヤー自身なんです。
古典RPGウィザードリィ』にも似た自分だけの脳内設定を付与して、
“自分から”、“主体的に”ドラマを作り、感じとっていく。
そうすることで初めて、この「スカイリム」という
ゲーム内世界を“濃く”楽しめるようになる、といっても過言ではないです。

いわば本作は、多彩なプレイスタイルを受け入れられる大きな器(うつわ)。
さまざまなクエスト、膨大な数のNPCやアイテムなどは、料理のための食材。
それらをどのように調理するかは、プレイヤーの脳内設定次第、というわけ。
ただ漫然とクエストをこなしていくだけでは、食材を未調理で食べているのに等しい。

そんでもって、同じ食材でも調理方法によって味わいが無限に変化するように、
プレイスタイルごとに違ったゲーム体験を満喫できます。
脳内設定と連動させた縛りプレー(魔法嫌いなので魔法禁止、とか)だと特に顕著。
本当に遊びつくそうと思ったら、100時間や200時間じゃ足りません。
実際、300時間くらいやってるけど、まだまだ楽しめる。

現在は、DLCの第3弾「Dragonborn」の発売も間近に控えており、
さらに広大な世界を楽しませてくれそうな気配。いやー、本当にいいものですね。
間違いなくRPG史上に残る大傑作。10つ星。