MISSING PARTS the TANTEI Stories

ドリームキャストってレトロゲーに区分すべきですかね。

とゆーわけで、はい、初のドリキャス作品です。
フォグから発売された『MISSING PARTS the TANTEI Stories』。
みっしんぐぱーつ、と読みます。

発売日は2002年1月17日。
別に意図していたわけでもないのに、なんと本日で発売から10周年。
おめでとうございます。

気を取り直して作品紹介。

ジャンルはいわゆるひとつの推理アドベンチャーゲームです。
新人探偵の真神恭介(まがみ きょうすけ)を主人公として、
舞い込んでくるさまざまな難事件を解決していきまっせ、というのが大筋。

システム的にはオーソドックスなコマンド形式なんですが、
時間経過の概念があり、単純なコマンド総当たりではクリアできないようになってます。
また、いかにスムーズにクリアできたかによってエンディングが分岐するほか、
クリア後の“探偵度評価”も左右されます。

グッドエンディングに到達するには、結構アタマ&記憶力を求められますし、
非常にシビアな条件を満たさなければならないなど、一筋縄ではいかない歯ごたえが◎。

ストーリーは全6エピソード形式。
亡くなった資産家を巡って人間関係の交錯する殺人事件に巻き込まれたり、
自殺したアイドル候補制の亡霊の正体をあばいたり、
大病院に隠された陰謀にブチ当たったりと、バラエティー豊かで飽きさせません。
全ストーリーの背後には、さらに巨大なミステリーも隠されており、
最終話で一連の謎が収斂していくさまは、プレイしていてカタルシスがあります。

そして何より魅力的なのが、丁寧に描写される個性豊かな登場人物たち。

お人よしだけど少しずつ名探偵へと成長していく主人公にはじまり、
失踪した父親に代わって探偵事務所を切り盛りする天然ボケの女所長、
吸血鬼を思わせる低血圧気味なアンティーク店の美人店長、
ワトソン役を務める謎の関西弁男、掴みどころのない飄々としたオッサン刑事、
探偵を嫌う熱血若手刑事、料理センスの狂った女子高生など、
レギュラーキャラクターだけでも連続ドラマが作れるんじゃないかってメンツばかり。

もちろん、各エピソードごとのゲストキャラクターも登場するし、
ストーリーの中心となるヒロインもそれぞれに魅力がある。

ただ、どのキャラクターも非現実的というほどぶっ飛んだキャラ設定ではなく
あくまで現実世界の人物という範疇に収まってるのが共通点。

その代わり、日常的な会話&シーンがふんだんに用意されており、
プレイしているだけで自然とキャラの個性が浮き彫りになって、
身近に感じられるように工夫されてます。
実際ワタクシ、プレイも終盤では、
あたかも主人公らと一緒にミステリーな日々を過ごしている気分になったほどです。
なんか大学のサークル仲間・ゼミ仲間みたいな、妙な一体感があるんですよ。
「このまま飲み会終わらせたくない」みたいな。

登場人物のイメージを崩さないように、あえてキャラボイスはナシの様子。
あからさまな“萌え”的要素もほぼゼロというのも個人的には嬉しいです。
(だからこそ買ったんだけど)

反面、バーでの飲酒シーンや喫煙シーンなど、
アダルツかつアーバンな雰囲気は丁寧に描写されてます。
神宮寺三郎』シリーズや『クロス探偵』シリーズなどにハマった人はハマるはず。

ドリキャス版は2エピソードずつ収録した3本構成。
いま購入するなら、追加要素を含むPS2版(3エピソードずつの2本構成)か、
さらなる追加要素を収録したPSP版(全エピソードが1本収録)がおススメ。
なおPSP版は日本一ソフトウェアからの発売です。

書いてたら再プレイ欲がわいてきたので、PSP版買おうかと思います。
ドリキャスの末期を飾った傑作ADV。5つ星。