Fallout: New Vegas

おー、栄えある100本目の記事だ。感動的。
でも作品紹介としては85本目なので、特に記念的なアレもないです。

一度取り上げたゲームの続編、
もしくは関連作を紹介するのは今回が初ですか、『Fallout: New Vegas』。
ベセスダが生んだ名作廃墟ゲー『Fallout 3』の姉妹作、スピンオフ作です。

基本的な内容は『Fallout 3』とほぼ同じ。
オープンワールドで、一人称視点のRPGで、特徴的なV.A.T.S.システムも健在。
自由度の高いマルチなストーリーと、多数のサブクエストもあります。

細かい違いはいくつかありますが、一番大きいのは舞台設定の違い。
Fallout 3』の舞台がワシントンDC周辺だったことに対して、
本作はラスベガスを中心とした一帯、「モハビ・ウェイストランド」が冒険エリアです。
Fallout 3』が廃墟ゲーだとしたら、こちらは荒野ゲーですね。
乾燥した風と大地、広大な砂地、起伏に富んだ荒れ地など、自然っぽさが強い。

あと、メインクエストの自由度が前作よりもやや薄まってるかな。
オープンワールドではありますが、最初のうちは、あまり自由度を感じないはず。
ラスベガス(作中ではストリップ地区と呼ばれる)に着いてからが本番だ。

メインクエストのストーリーは嫌いじゃない。
モハビ・ウェイストランドで運び屋をやっていた主人公は、
とある荷物を運んでいたために、謎の男に襲撃され、瀕死の重傷を負う。
何とか一命は取り留めたものの、男の素性は分からず、荷物は奪われてしまった。
主人公は、男と荷物を追ってモハビの大地を歩きだすが、
やがてモハビ・ウェイストランド全体を覆う抗争に巻き込まれることに……。

というのが、メインクエスト。抗争においてどの勢力につくかは主人公次第。
どこにも味方しないという選択肢もあるし、
メインクエストを放っておいて、自由にサブクエストにいそしんでもよし。

ただ、本作で一番グッドだと思ったのは、ハードコアモードの存在。
ハードコアモードは、上級者向け(言うほど難しくないけど)のオプションで、
これを選択すると通常のステータスとは別に水分・空腹・睡眠の3要素が追加される。
時間経過でこれら3つの数値は徐々に上昇していって、
水や食料、休憩を取らないといろんな悪影響が生じ、最悪の場合、死に至る。

また、“弾薬にも重量制限が追加される”、“仲間(コンパニオン)も”
“回復アイテムでの回復にも一定時間が必要となる”など、
リアル寄りのゲームプレイを楽しめるようになります。

ザッザッザと荒野を駆けまわり、ステータスをチェックして、
「あっ、そろそろ水分不足がヤバい」と気づき、アイテムの“きれいな水”を飲む。
もちろん“きれいな水”は無限ではないので、計画的に使用しないといけない。
真水だけじゃなくて、荒野に自生している植物・果物類なども貴重な水分なので、
サボテンやバナナユッカからその果実を採取できる。

空腹度も同じように、戦前から残されている食料を食べたり、
荒野をうろつく巨大トカゲや野犬の肉などを調理して食料アイテムにしたり…。
睡眠不足も油断ならないので、日の出・日の入りを調整して行動するようになる。

わずらわしいと感じる人もいるかもしれんけど、むしろこの不便さが楽しい。
この“荒野を旅してます”感が、たまらないのだわ。
もっとこのハードコアモードが普及してくれればいいとさえ思う。
TESシリーズも含めて。スカイリムも、あんなに食べ物アイテムが豊富なんだから。

でもまあバランス調整が難しいんだろうなー。
そのゲームのメインの面白さを失わないギリギリのラインで不便にするってのは、
一朝一夕にはいかんのでしょう、たぶん、きっと。

ちなみにコンパニオン(一緒に旅してくれる仲間キャラ)のシステムは、
後発のスカイリムより本作のほうが楽しいと思う。
キャラクターの背景もしっかりしているし、戦闘の作戦も立てられる。
仲間になったあとの専用クエストでさらに愛着がわくし、専用会話も豊富。
何より、歩く速度が遅くなく、ちゃんと主人公のあとをついてくるのが素晴らしい。
スカイリムは遅い。すぐ離れ離れになる。

前作『Fallout 3』にハマった人ならまず買って損はしない。
ベセスダゲー好き、TESのオブリビオンやスカイリムが好きな人も、プレイ推奨。
いま買うならDLC(どれも楽しい)を収録した「Ultimate Edition」がおススメです。
ただ、PS3版はいささかバグが多めらしいので、そこんとこは注意。