転職について(3):求人選びの前に、求人の要素、求人選びのポイント

前提

  • この記事内に書いてあることは一般論です。「私の場合に応用するには?」を考えながら読んでみてください。
  • 「なんとなく辞めて、なんとなく次の会社を選び、なんとなくまた転職する」というのが最悪の失敗パターンです。これを避けるため、「判断基準・判断軸を決める」ということを意識した内容になってます。

求人選びの前に

  • 改めて転職理由を明確にしておく。言語化し、他人に説明できるように。いろんな求人に目移りするとき、常に転職理由に立ち戻るようにしてください。「よさそうだけど、ここに転職してまた同じ理由で転職したりしないか?」の気持ちを忘れずに。
  • 法律上、求人に書いてある内容よりも、雇用契約書の内容のほうが優先されます。例えば月給35万円・年収420万円の求人に応募して内定もらっても、「月給25万円・年収300万円で雇用する」という雇用契約書にサインしたのであれば、後者が優先されます。もちろん、雇用契約書を提示された段階で「なんで下がってるの?」と問うのは自由(雇用契約書にサインしないのも自由)。

求人の要素

  • 転職理由をもとにして、妥協できる仕事の要素、妥協できない要素を明確にしておく。誰だって完璧な勤め先で働きたいですが、現実的には難しい。なら何を妥協するか、譲れないのは何か、をあらかじめ明確にしておく。大まかな要素は以下の6つ。
  • 仕事内容:何を・誰に対して・どのように行う仕事か。やりがいなくてもいいからラクしたいのか、厳しくてもやりがいある仕事がいいのか。BtoBの仕事か、BtoCの仕事か。レアスキルが身につく仕事か、応用力が身につく仕事か。対人の仕事か、非対人の仕事か。などなど。
  • 給与・待遇:希望はいくらか。いくらまで下げられるのか(ラクな仕事に転職する場合はだいたい下がる)。安定志向か、インセンティブで稼ぎたいのか。賞与の有無、各種手当の有無、福利厚生。などなど。
  • 働き方:勤務時間や休日休暇、残業の多寡、時短勤務の可否、リモート勤務の可否、休みの取りやすさ、ノルマの有無、チームで働くのか個人で働くのか。などなど。
  • ④勤務地:どこで働くのか。住まいからの距離、通勤時間、通勤方法は許容できるか。転居をともなう転勤の可能性はあるか。
  • ⑤人間関係:ウェットかドライか。仕事中の雑談ありか無しか。コミュニケーション量が多いか少ないか。距離感が近いか遠いか。一対一か、一対多か。蹴落とし・切磋琢磨か、協調・仲良しこよしか。などなど。
  • ⑥将来性、キャリア:管理職やリーダーになれるか(なりたいか)、なれないか(なりたくないか)。いつかまた転職するときにこの仕事の経験が役立つか、役立たないか。ロボットやコンピュータに置き換えられそうか、置き換えは難しそうか。

求人選びのポイント

  • いい求人=自分の希望にマッチした求人。なので、ぶっちゃけると、いい求人とは「人それぞれ」です。
  • ただし、そもそも「自分の希望にマッチしているかどうか」が分からなければどうしようもない。なので、求人内容から上記の6要素が具体的にイメージできるかをまず注意して読んでみてください。逆に言えば、6要素をイメージできない求人は悪い求人と言えます。
  • 「仕事内容がイマイチよく伝わらない(社風や給与のことしか書いてない)」「給与が年収しか書いていない(月給、みなし残業代の記載がない)」「休日の詳細と年間休日数が記載していない」などは気をつけましょう。
  • 実際には、6要素をすべて詳細に書いてある求人のほうが少ないです。なのでその場合、内定承諾するまでに明らかにする必要があります。
  • 特に仕事内容については、「納品までの具体的な動き」もしくは「1案件の具体的な動き」もしくは「1日の具体的な動き」がイメージできるくらいの粒度で記載されているかを注意してみてください。
  • 例えば、営業職なら「リストに従って電話営業→商談アポ獲得→商談→見積り提案→受注→関連部署との協同→納品」といった流れがイメージができるか。ITエンジニアやWebデザイナーなら「営業の受注→顧客打ち合わせ(要件定義、デザインFIX)→開発や制作→納品」などの流れがイメージできるか。
  • 仕事内容がイメージできないくらいざっくりな求人は、企業側が言語化を怠慢しているか、わざと伝えたくないかのどちらか。面接に行って「~~な仕事です。簡単だよ」とか言われて、もやっとしたまま内定承諾したりすると、あとあと後悔する可能性が高い。
  • ただし、「ざっくりでもわかるくらいの経験者」を想定して、あえてざっくりしか書いていない求人もある。そういう求人はだいたい求められる必須要件もハードル高いし、仕事のイメージできていないまま面接に行っても受かる可能性は低いです。

 

上記の通り、いい求人かどうかは「人それぞれ」なので、自分が次の仕事・転職先に何を求めているか(何を求めていないか、妥協できるか)、に左右されます。まずその希望と妥協ポイントを自分なりに言語化できるかどうかが重要です。そのうえで、希望にマッチする求人を探すのは根気と経験(勘)が必要というのも事実なので、本当に困っている人はツイッターからDMでもください。