2022年の楽しかったゲーム、漫画、その他

ゲーム

エルデンリング

GOTY受賞おめでとうございます。ソウル系の(現時点での)完成形という感じ。驚くようなサプライズはなかったけど、難易度バランス、ボリューム、世界観、ステージのデザインなどが高レベルで融合しており、戦って育てて探索して……というだけで時間が溶けていく。あえて深く語られないストーリーや、多くは語らないNPCたちも魅力的。倒されても立ち上がる楽しさが得られるゲームというのは、やはりすごい。でかい狼、でかい亀、でかい竜、でかい鳥、でかいホヤ、でかいザリガニなど、でかい生き物とたくさん出会えるのもうれしい。

 

 

ディスコ・エリジウム

翻訳待ってたゲームオブザイヤー。記憶を失った刑事が、相棒とともに架空の街で起きた事件の解決に挑む(挑まなくてもいい)というRPGRPGなんだけど戦闘はなく、ほとんどTRPGのノリに近い。NPCだけでなく、自分自身のさまざまなスキル(内面人格)との対話を通じて、この世界や事象のことを読み解いていくのが、ゲームプレイの中心。

練りに練りこまれた世界設定とキャラクター、独特の専門用語、トリヴィア、ジョークなど、膨大なテキストを読むことを楽しめれば、おそらくゲーム人生を変えるくらいのナラティブ体験が待っています。ベストシーンはレナに別れの挨拶をするシーン(美しすぎる)。好きなスキルは意志力。意志力が「こいつら骨抜きにされてるぞ」と忠告するシーンはクソ笑った。

 

 

マーベル ミッドナイト・サンズ

XCOMシリーズの開発チームによる、マーベルヒーローを題材としたゲーム。SLGとカードデッキ構築を組み合わせたようなユニークな戦闘システムがめちゃくちゃ面白く、位置取りとリソース管理、カードによるランダム性がうまい具合に融合してる。難易度も適度で、ガンガン攻めることもできるけど、気を抜くと死ぬ。ノックバック命。

戦闘パート以外も抜群に面白くて、マーベルキャラたちとひとつ屋根の下で暮らす(本当)東京魔人學園サクラ大戦のようなおもむき。ブレイドさんを照れさせたり、マジックに萌えたりできる。拠点アップグレードも種類が多く、やりがいがあって楽しい。戦闘→仲間との交流、アップグレード、戦闘準備→戦闘……というサイクルが止まらないので、時間がすたつのが早すぎる。というか現在進行形でやってる。

発売当初はエラー落ちが頻発したけど、現在はアプデで(たぶん)解消されてる。やることいっぱいなゲームを探している人、マーベル好きに文句なしでオススメ。

 

 

漫画

ようきなやつら

作者は岡田索雲。仲間と姿が異なる幼い”河童”、学生生活に悩む”さとり”、男性社会へのリベンジを望む山姥など、「生きづらさを抱えるマイノリティーたち」を描く異色の妖怪漫画の短編集。まず人間ドラマ(妖怪ドラマ)として非常によくできていて、1本1本が映像化できそうなくらいしっかり読ませる(笑えるシーンもちゃんとある)。そのうえで、ふだん生きている我々が忘れがちな、さまざまな少数派の悩みや苦しみに正面から向き合っており、作者の真摯な創作姿勢が胸を打つ。

あと関東大震災の中のマイノリティーの思い出を描いた一遍、『追燈』は掛け値なしに素晴らしい。こういう漫画家が出てきたこと、新しい時代を感じるし、素直に喜べる。

 

 

月出づる街の人々

酢豚ゆうき作。メドゥーサや狼男、ヴァンパイア、フランケンっ娘といったモンスターたちの日常を描いた短編集。こちらも人間ドラマの見せ方が上手く、ちょっとした心の機微やキャラ同士の関係性が楽しく読める。メインの登場人物は学生なので、甘酸っぱい感じもあり。どの話も優しい読後感で、特にメドゥーサとナーガのお話が良かった。フリーハンドの柔らかな描線も温かみがある。作者はツイッターやpixivでもよく活動しているので、試し読みしてピンと来た人は単行本買って間違いないです。

 

 

ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ

いしいひさいちの同人作品。朝日新聞で掲載されていた『ののちゃん』からのスピンオフで、商業で出してくれるところがなかったので同人で出したとのこと。詳しい解説はこちらのマンバ通信の記事を読んでください。とにかく笑えて、切なく、心揺さぶられる。主人公とその友人の関係、百合と言えば百合なんだけど、この関係性にはまだ名前がないような気がする。あるいはシスターフッド、あるいは実は友情と呼ぶものかもしれないが。

おまけにシンプルに絵が上手い。いや、もうめちゃくちゃ上手い。以前、いしいのファン本でとり・みきが絶賛しているのを見かけて、いつか読みてーなと心待ちにしていたので、ホントにありがたいことです。

こちらはAmazonでの取り扱いないので、公式HPからどうぞ。

https://www.ishii-shoten.com/honnmaru/rocaw09.html

 

原色の街から

ほんまりう作。こちらもサークル「フライング東上」による、単行本未収録作品をまとめた同人作品。やはりほんまりうの短編は面白い。かつてのマドンナが地元でひと悶着を起こす「七面鳥の帰還」、犯罪組織に狙われる中年男性と、都会から逃げ出した青年のひと時の邂逅を描いた「追われる」は特に出色のでき。2022年にほんまりうの新刊が読めるというだけで買いだし、フライング東上は他にもほんま作品を出してくれているのでマジでありがたい。というか、なんで再評価されないのかな、ほんまりう。『与太』とかも再販してほしい(持ってるけどボロボロなので)。

こちらもAmazonでの取り扱いはないので、BOOTHからどうぞ。

https://vhysd.booth.pm/items/4029898

 

 

とりあえずこんなものです。その他にはゲームだと、『Vampire Survivors』(iPhone版)、『ディヴィニティ・オリジナル・シン』(PS4版)、『カルト・オブ・ザ・ラム』(PS5版)なんかが楽しかった。あ、今年ようやくPS5本体を購入できたのが一番でかいかも。GEOさんありがとう。

漫画だと、上記以外だと『オガベベ』(おきらくボーイ)が見事に完結を迎えたのでめでたい。これも面白かった。絵が死ぬほど上手いし好み。実験的な表現もあり、今後も商業で売れてほしい。

 

映画は子育てで観られず。アニメは水星が面白いけど、横目で見ながらしか追えていない。ウテナという評価もあるけど、今の時点ではウテナの衝撃は超えてない(超えなきゃいけないというわけではない)。ガンダム体操は笑ったが。

同人誌はこの12月に1冊出せた。あんまり売れなかったけど。BOOTHでの通販やってみようかな。来年はもう少し絵の練習をしたい。

 

Twitterの運営がクソっぽくなってきたので、来年はもう少しブログへの比重を増やします。はてながクソではないということではないけど。以上です。