グランド・セフト・オートV (1)

いやー、あっはっは、放置しちゃって申し訳ない。

謝るよ、すまん! 言うのはタダ。

で、ずーっと『Grand Theft Auto V』(以下GTA5)やってました。

これがすんげー楽しい。驚きの面白さ。

えーと言うまでもなく、GTAシリーズの最新作です。

ジャンルはオープンワールド型アクション。

ストーリーモードとオンライン、2回に分けて紹介します。

今回はストーリーモードについて。

ストーリーモードは、シリーズ初となる複数の主人公が特長。

大金を手にして“アメリカンドリーム”を実現したものの、

浮気中の妻、ニートの息子、おバカな娘を抱え、

毎日鬱屈とした想いに苛まれている元銀行強盗犯のマイケル。

成功を夢見ているものの、ストリートのすさんだ生活から抜け出せず、

自動車ディーラーの詐欺の片棒を担がされている若き黒人、フランクリン。

武器密売・ドラッグ売買を行う犯罪者であり

暴力と性欲と狂気をまき散らすかつてのマイケルの相棒、トレバー。

アメリカの大都市ロスサントス&ブレイン郡に住む3人は

ひょんなことから知り合い、また昔の縁を取り戻し、

お互いに協力したり・ののしり合ったりしながら、

まだ誰も成し遂げたことのない壮大な犯罪計画に挑戦していく……。

というのが大まかなストーリー。

この3人を適宜スイッチ(切り替え)しながらプレイするわけですが、

この切り替え制が非常にうまく機能してます。

例えばミッション中、マイケルを操作して敵のアジトにカチコミをかける。

その後、敵側が反撃してくるので、

外のビルからフランクリンに切り替えてスナイパーライフルで援護する。

(その間、マイケルはCPUが自動操作)

またマイケルに戻し、援護射撃を受けながらヘリに乗り込むと、

今後はヘリを操縦するトレバーにスイッチ、戦闘エリアから離脱を図る。

敵もヘリで応戦してくるので、再びフランクリンに切り替えて

今度は敵のヘリパイロットを狙撃……といった具合。

クライム系の映画でよくあるような、

「おい、援護しろ!」「てめえこそあいつ等を片付けやがれ!」

「ヘリが来たぞ!」「ずらかるぞ、さっさと乗れ!」

みたいな会話が自然と脳内で補完されて、のめり込み度が高いです。

切り替え動作はスムーズで、リアルタイムで進行可能。

もちろんミッション中でなくても切り替えられるので、

ふとトレバーで警察相手にランペイジしたくなったのなら、

マイケルを操作中でもフランクリンを操作中でもすぐにスイッチできる。

メインとサイド、両方のミッションにおいて

特定キャラじゃないと受けられないものがあり、

3人の違った視点でロスサントスを闊歩できるのが魅力。

受けられるミッションへのアプローチも過去作との差別化ができてる。

特に銀行強盗ミッションで顕著ですが、

事前にどうやって強盗するかの方法を決めたり、参加するNPCを選定したり、

より「クライムアクション」としてのリアルさを追求している。

単なる「これやれ、あれやれ」ではなく、

「この方法でいこう、こいつとこいつを計画に加えよう」と

プレイヤーがミッションに介入できる余地があり、

それがプレイヤーを主体的にゲームに没入させることに成功してます。

そのほか細かい要素にも進化が見られ、

キャラの成長やスキンカスタマイズ、マネー運用&管理、

自動車の収集&カスタマイズなどの遊びを搭載。

こだわってプレイしたい人にはうれしいはず。

ただし減点がないわけではないです。

まあしょうがないんだけど、日本語版は規制が入ってます。

具体的には各種エロ要素と暴力描写。

カーセックス中の視点変更ができなくなったのが残念。本音です。

あとストーリー。

これは好き嫌いの範疇なのかもしれないけど、

例えば『Grand Theft Auto IV』と比較したとするなら

重厚さや奥深さ、じんわり“心に残る”ような感じは薄いです。

面白くないわけではないが、名作として語り継がれていくときに

必要とされる“テーマ性”みたいなのは少ない気がする。

プレイ中はかなり熱中できるんだけど、

クリアしてからエピソードの詳細を思い出すのに苦労する感じ。

個人的には、物語よりも3人の主人公のキャラクターの方が印象に残ったです。

マイケルは“ミッドライフクライシス(中年の危機)”に苛立ちつつ、

フランクリンを目にかけてやる余裕と優しさも持つ。

家族問題に四苦八苦しつつ、映画を通じて意外なキャリアを歩みだすあたり、

これまでのGTAにはないくらいちょっとラッキーな男。

フランクリンは、成功したい・ロスサントスから飛び出したいと思っているけど、、

地元の親友を放っておけない仲間思いな面もある。

「オレは何かを成し遂げたいだけだ。

 だからと言って仲間を売ることもねえ。お前はファミリーさ」と言うセリフは、

本作でも屈指の名セリフとして俺の脳内に刻み込まれてます。

3人の中では最年少でありながら、

マイケルとトレバーの間を取り持つ苦労人というのもかわいい。

そしてトレバー。この男のカオス具合は、もうどうすればいいのと困惑するレベル。

このキャラを嫌うべきか、好きになるべきか、距離を置くべきか、

未だに判断を下すことができない。それくらい危険人物。

日本語版で野規制表現が一番多いキャラでもあります。拷問とか局部露出とか。

たぶん今までのGTAシリーズでも屈指のカオスキャラかと。

とまあ、規制部分とストーリー、2つほどマイナスに感じたところはありますが、

戦闘メカニックはさらに洗練されてるし、

サウンドトラックも相変わらずレベル高い。なんとブリトニーが出てます。

作品を重ねるごとにプレイヤーへの配慮が行き届くようになってて、

特に乗車時の視点を高くすることができるようになったのは地味に嬉しい。

格段に自動車運転がやりやすくなってます。

控えめに言っても、今世代機で最高のオープンワールドの1本として数えていいと思う。

ではストーリーモードについてはこれくらい。

次回はオンラインについて。