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読めよぉー。(´;ω;`)

あとプレイしたり、観たりしろよ。アメコミ翻訳はじめました。

Fables vol.4 "March Of The Wooden Soldiers" (翻訳その17)

Fables vol.04

※『Fables』は、おとぎ話を題材にしたアメコミです。悪の勢力によって、おとぎ話の世界“ホームランド”から追放されたさまざまなキャラクターたちが、現実世界で素性を隠しながら生活しています。キャラクターたちは自らをフェイブルズと称しています。

【ウッドランド・ビルで戦闘準備をするスノウら。】

スノウ「トランシーバーは、ちゃんとみんなに渡すのよ」

グリンブル「全員に? それじゃ足りませんよ、ミス・ホワイト。トランシーバーは12個しかありません」

スノウ「全員ってことじゃなくて、すべての…なんて言うべきかしら、グループリーダー?」

グリンブル「小隊リーダー?」

コール老王「部隊リーダーとか?」

スノウ「なんてことかしら。私たち、この戦いでの共通言語さえ持ってないのよ。実戦になったら、どうやって攻撃を防ぐっていうの?」

コール老王「前線で決断力を見せるだけでいいだろう。君ならできる」

【そこまで話したところで、スウィンハートとブルーボーイに遭遇する】

コール老王「スウィンハート先生? ブルーボーイも?」

スノウ「一体全体、こんなところで何を?」

スウィンハート「ご指定の通り、医療物資を持ってきました。それと、その報告にうかがいました」

スノウ「そうじゃくて! ブルー、あなた病院にいるはずでしょう? 先生はブルーに何をしてるのよ」

【スウィンハートは、包帯を使ってブルーボーイの手に剣を握らせている】

スウィンハート「見れば分かるでしょう? テーピングして彼の手に武器を握らせているんです。他の方法では握れないくらいに怪我していましたから」

スノウ「でもそんな怪我じゃ…ブルー、すぐにベッドに戻りなさい!」

ブルーボーイ「それはできません」

スノウ「スウィンハート先生、あなたは医者でしょ。どうしてこの場にいるのかしら?」

スウィンハート「なぜって、私は軍医でもあるからな。それも、史上最も優秀な軍医だ。そして、われわれ軍医が優先するのはこうした市民の患者の治療ではない。兵士らを“修理”して、戦線に再び送り出すことだよ」

ブルーボーイ「ベッドには戻らないよ、絶対」

スノウ「みんなイカれてるわね。なら急ぎなさい。戦いに向けての訓示があるわ」

【場面転換。ビューティーの部屋の前で、プリンスとビーストが話している】

プリンス「ほんとにこれでうまくいくのか?」

ビースト「間違いない。彼女のことを知っていればわかるさ。戦いが終われば、いずれは俺のことを許してくれる」

【プリンス、部屋のドアをノックして扉を開ける】

プリンス「ああ、そこにいましたか。すぐに開けてくれないものだから、あなたがいるかどうか確認するために、勝手に失礼させてもらいましたよ」

ビューティー「プリンス・チャーミング? 何を…?」

プリンス「今日のあなたは、自信たっぷりのお名前以上にお美しい。そう言わざるをえませんよ。さあ、始めましょうか。スノウのスピーチを聞き逃したくない」

ビューティー「始めるって何を?」

プリンス「ビーストから聞いていませんか? あなたの魅力的な色気に関する、ちょっとした取引をしたんですが…。お二人とも収入が必要でしょう。私はいつでもやる気ですから、戦いの前に…」

ビューティー「夫が何をしたって!?」

【ビューティーが怒りだすと、部屋の外で様子をうかがっているビーストの姿が、野獣のように変化していく】

プリンス「ちょっと慰めてくれませんか?」

ビューティー「あの野郎、ぶっ殺してやる! 出てけ、このスケベ野郎!」

プリンス「うまく引っかかったな」

【ビューティーに追い出されるプリンス。ビーストは完全な野獣の姿になった】

ビースト「ああ、戦う準備はできたぞ」
※ビーストの呪いは完全には解けていない。ビューティーが怒れば怒るほど、彼の姿は巨大な野獣のように変化していく。

【場面転換。ウッドランド・ビルのバリケードで、スノウが集まったフェイブルズ達にスピーチしている】

スノウ「私は軍の司令官ではありません。何年も昔から言い伝えられてきたものを除けば、皆さんに授ける特別な知識も持ち合わせていません。我々には守るべき特定の国土も、集うべき戦旗もありません。頭や心で思い描くもの以外に、フェイブルタウンには正式なステータスというものが存在しないのです。しかし今夜私たちが戦い、やり遂げたときには、それが誕生するでしょう」

スノウ「歴史上のあらゆる戦争を戦った兵士たちのように振る舞い、鼓舞するのです。私たちの城塞の力、私たちの防衛の力、そして何より私たちの決意を目にすれば、敵は尻尾を巻いて逃げだすでしょう」

【同じころ、黒服とニセ赤ずきんらのアジトでもスピーチが行われていた】

黒服「今がチャンスだ。わが軍の数を知ったら、フェイブルズどもはたちまちひっくり返って降参するだろう。降参のあとは、あとは適切な抑止力を見せてやれば、そこまで大勢殺さなくてもいいはずだ。まあ幾人の人間は、屈服することに躊躇するかもしれないし、完全には服従しないかもしれん。われらを恐れ敬うのも、嫌々ながらかもしれんがね」

黒服「親愛なる兄弟よ、我らは今、皇帝陛下の指示のもと、偉大なる冒険に取り組もうとしている。さあ隊形を組め! 行進の用意だ!」

【場面転換。戦闘準備をするジャック。腰にはサーベルを差し、リボルバーに銃弾を込めている。そばにはピノキオが退屈そうに座っている】

ピノキオ「何の準備をしてるんだ?」

ジャック「命令されたことだよ、ピノキオ。俺の仕事は、戦闘中でのお前のお目付け役だ。その準備をしてるんだよ」

ピノキオ「お目付け役なんていらない。理由は2つ。ひとつ、あの兵隊たちがみんなを攻撃しても、俺だけは攻撃されないからな。昨日の夜、あいつらがなんて言ったか聞いただろ? 俺はやつらにとって、超ウルトラ最高なビッグ・ブラザーなんだぜ」

【ピノキオに怪訝な視線を向けるジャック】

ピノキオ「オーケー、確かに『ビッグ』ではないさ。だけど、やつらが一番年長の兄を探し求めてるのは確かだ。もうひとつの理由は、やつらが襲撃をあきらめたり、退却したりしたら、一緒について行こうと計画してるからさ。向こう側のどこかで、魔王はゼペット爺さんを幽閉しては木の兵隊を作らせている。ずっと爺さんは死んだと思っていたけど、今なら一緒に暮らせるんだ」

ピノキオ「言わせてもらうけど、やつらを銃弾で傷つけられると思ってるのか? あれは木製人形だぜ。木でできてるんだ。木を銃で撃って、それが倒れるのを見たことある? 一日中銃弾を撃ち込んでも、やつらは何も感じないだろうよ」

ジャック「言うことはそれだけか、ちびすけ。お前が洗いざらいを打ち明けて、やつらと一緒にホームランドに帰るのを、俺たちが許すとでも? スノウには『お目付け役』を任されたんだ。お前を守れとは言われていない。俺の剣は、お前の兄弟とかいうマヌケ軍団を切り刻むためにある。だが、もしお前が自分からやつらの手に落ちるつもりで、他に選択肢がないんだったら…」

ピノキオ「俺を殺すかい?」

ジャック「頭のど真ん中をぶち抜いてな」

【場面転換。ビル内のエントランスで、ホブズとグリンブルがあいさつしている】

ホブズ「こんばんは、グリンブルさん」

グリンブル「やあ、ホブズさん」

ホブズ「今晩の催し物が待ちきれませんな」

グリンブル「ですな。変身せずに外に出られるなんて」
※グリンブルは普段人間の姿でビルのガードマンをしているが、もともとの正体は『三匹のやぎのがらがらどん』に出てくる“崖下のトロール”。

ホブズ「加えて、殺しと破壊の自由もある。あなたも私と同じく、それが懐かしいのでは?」

グリンブル「ほんのわずかにね。どうです、賭け事に興味はありますか?」

ホブズ「良いお考えですな。トロール対ゴブリンというわけですか。どうやって勝負されますか?」

グリンブル「戦闘終了までに集めた、敵の首の数が多い方が勝ちと言うのは? 負けたほうがディナーをおごるということで」

ホブズ「よろしいでしょう」

【場面転換。ニューヨークのさびれた通りを、何十・何百という黒服の集団が更新している】

通行人「朝はいい日だったのに、急に寒くなってきやがった!」「これだから3月は嫌いだ」

【黒服たちの行進に、アパートの一家が気づく】

アパートの住人「トム、見てあれ!」

少年「パレードかな?」

母親「そうは見えないわ。何かのデモじゃないかしら?」

父親「黒人のデモじゃないし、ラテン系でもアジア系のデモでもない。全員白人のようだ」

母親「みんなスーツを着こんでいるわよ。ゲイ・パレードじゃない?」

父親「それも違うだろう。彼らのスーツは保守的すぎるよ」

少年「それにあの人たち、銃を持ってるよ」

父親「なんてこった、本当だ! ついにこの日が来た。あれは共和党の党員たちだ! やつらがニューヨークを乗っ取るつもりだ」

母親「1939年のパリのときみたいに?」
ナチスドイツによるフランス占領のことを指している。

少年「それはナチスのときの話でしょ?」

母親「何が違うのよ?」

少年「これってジュリアーニ市長が戻ってきたってことじゃない?」
※1994年1月から2001年12月までニューヨーク市長を務めたルドルフ・ジュリアーニのこと。彼は共和党員。

【斥候に出ていたフェイブルズの鳥たちが、黒服らの行進を偵察する。彼らはウッドランド・ビルへ戻り、バリケードを守るプリンスらに報告する】

鳥たち「警告!」「やつらが来る」「やつらが来るぞ!」「軍団が来る!」

プリンス「数は?」

鳥たち「数百人は」「もしかしたら数千人かも」

バリケードを守る住人「ああ、神様」 

Fables Vol. 4: March of the Wooden Soldiers

Fables Vol. 4: March of the Wooden Soldiers