Fallout 3

「今この瞬間、世の中が滅んじゃったらどーしよう」などと考えてしまうのは、

あまり健康的な思考ではないんだけど、

たぶん心のどこかに破滅願望が眠っているからそんなこと考えてしまうわけで。

ならば、まずはしっかり暗い願望と向き合ってみようか。

というあなたが手に取るべきゲームこそ『Fallout 3』です。

ジャンルはFPS(一人称シューティング)っぽいオープンワールドRPG

いちおうメインストーリーはありますが、

完全無視していろんな人のサブクエストを請け負ってもいいし、

それすら無視してあちこちのダンジョンを歩き回ってもOK。

とにかく洋ゲーらしい“自由度の高さ”がウリです。

JRPGのような感動超大作な脚本や、漫画的なカッコいい演出は薄く、

自分でどれだけ作中の世界にひたれるかが勝負といえば勝負。

(ただ、下記に示すように別の意味でのカッコよさはある)

んで、で、重要なのはこの作品の世界観。

舞台は2277年、アメリカのワシントンD.C.、世界は核戦争で荒廃しきっており、

わかりやすい言葉で表現すれば「北斗の拳」、「マッドマックス」。

この世界にあるのは、廃墟と化した首都、ひび割れたハイウェイ、

水没した地下鉄、汚染された荒野、ボロボロの衣服を身にまとう市民、

凶悪な野盗、ミュータント、レーザーで武装した自律ロボット…。

地下の核シェルターで安全に育った主人公は、

消えた父親を追って、そんな危険な世界へ飛び出していく。

ワシントンD.C.を歩き回りながら人々と会話し、

撃退した野盗の死体をあさっては弾薬をゲット。殺した動物の肉で体力を回復し、

打ち捨てられた金庫をピッキングしてお宝を得て、

放射能に汚染されたエリアにだって身を投じる。本作ではそんな冒険が可能です。

しばしば「新鮮な肉だぜ!」とか「おら来いよ!」などと叫びながら

モヒカン野郎が襲いかかってくるので、マシンガンで蜂の巣にしましょう。

Xbox360のマシンパワーを活かしたグラフィックはいい感じ。

一人称視点と相まって本当に廃墟の中や崩れかけたメトロに身を置いている気分に。

実際、広大なマップを旅しながら、崩壊寸前の荒涼とした文明世界を見ていると、

胸を抱えてうずくまりたくなるような寂しさを覚える。

しかし同時に、下腹部が熱くなるようなワクワク感があるのも事実。

それはきっと、あらゆるシガラミが消えうせ、

学校も試験も働く意味もなくなるという、究極のリセット装置への憧れ。

破滅願望の正体は結局コレなのか? と思ったけど、

ゲームは楽しいし、やっぱりよくわかんなくていいです。

なおPS3でも同内容で発売されてますが、リードプラットフォームはXbox360

後者のほうがバグも少ないようです。なのでみんな360買おうぜ。