悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲

別にシリーズのファンってわけでもないけど、
本作はスゲーやりこみました。『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』。

タイトルからもわかる通り、コナミの名作アクション『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1つ。
同シリーズといえば、割とマジで高めな難易度が要求されることで有名ですが、
本作はそうしたシリーズの伝統をあえて脱ぎ捨てた名作として評価されてます。

ゲームの目的は、主人公・アルカード(ドラキュラ伯爵の息子。耽美系)を操り、
突如としてよみがえった悪魔城を封印すること。

パッと見の印象は、間違いなく『悪魔城ドラキュラ』、つまりアクションゲームなんですが、
本作において舞台となる悪魔城は、一本道の“ステージ”ではなく、
少しずつ行動範囲を広げていく“探索エリア”。
メトロイド』タイプの探索型アクションとして、完全に別物のゲームに生まれ変わってます。

主人公にはレベルの概念があり、敵を倒すことで経験値獲得&能力上昇していきます。
おまけに右手・左手には武器や盾を、頭部や体、脚部などには防具が装備可能であり、
消費型の体力回復アイテムや攻撃アイテムもある。
なので、実際のプレイ感覚としては、横スクロールのアクションRPGといってもいいです。

装備品の中には強力なレアアイテムも多数あり、
うまいこと使いこなせば、アクションがヘタッぴでも楽にクリア可能。転落死もない。

ただし、上記のとおり、内容的にRPG色が強いので、
適当に勧めていると何もわからないままバッドエンディングに突入したりします。
悪魔城内のあちこちを探索して、黒幕を暴いてからが勝負。
また、中にはラスボス以上に強い隠し的なボスもいたりします。歯ごたえあり。

あと、本作の特長の1つとして、制作陣の作り込みが激しいという点が挙げられます。

膨大なアイテム、多数のユニークな敵モンスター、エリアごとに違う顔を見せる悪魔城、
仲間となる使い魔や、特定武器だけに可能な必殺技など、
詰め込まれている情報量がハンパじゃない。

そうなると、アイテムもモンスター図鑑もコンプリートしたくなるのが
ゲーマーの性(さが)ってやつなので、本作はやり込みゲーとしての側面もある。
レベルアップによる最強データ作りにも手を出してしまえば、
それこそ100時間・200時間かけて、じっくりと遊びつくすことが可能です。

本編とは関係ない小ネタ(妖精の歌とか、鼻悪魔の「ポチッとな」とか)も豊富だし、
ザコキャラの動きも見ているだけで楽しい。
例えばフクロウと一緒に攻撃してくるオウルアーマーというザコキャラがいるんだけど、
先にフクロウを倒すと、その亡骸に駆け寄って「orz」状態になるんだよ。
こういうどーでもいいところに労力を割いた制作陣に、素直に拍手を送りたい。

あと、音楽面でも、山根ミチルによる荘厳かつゴシックな作曲が高評価。
「失われた彩画」が一番好き。儚げな感じがたまらない。

PSで1998年に発売されて以来、長年愛されているゲームで、
現在はPSPの『悪魔城ドラキュラ Xクロニクル』に収録されている他、
Xbox360のLIVEアーケード、およびPS3PSP向けのゲームアーカイブスでも配信中。
長く楽しめるアクションRPGの傑作としておススメ。